第22回Wリーグ(バスケットボール女子日本リーグ)第5週初日が17日、神奈川・トッケイセキュリティ平塚総合体育館で行われた。イースタンカンファレンス(東地区)の2連敗中の日立ハイテククーガーズは6連勝中の富士通レッドウェーブを74-63で下し、東地区2位をキープした。開幕から負けなしのENEOSサンフラワーズはシャンソン化粧品シャンソンVマジックに98-59と圧勝。開幕からの連勝を9に伸ばした。東京羽田ヴィッキーズは新潟アルビレックスBBラビッツに58-54で競り勝ち、今季初勝利を挙げた。

 

 東地区のスコアラーたちがそれぞれ活躍した。

 

(写真:中も外もオフェンスが目立った日立ハイテク。3本のスリーポイント決めた白鞘<左>と7アシストを記録した曽我部)

 先週ENEOSとの全勝対決に敗れ、2連敗を喫した日立ハイテクは、6連勝と勢いに乗る富士通と対戦した。第1Qから得点を走らせたのは日立ハイテク。エースのCF谷村里佳を中心に17-11とリードを奪う。谷村はこのQだけで9得点7リバウンドとインサイドを支配した。一方の富士通は開始から5分以上無得点と出だしで躓いた。

 

 谷村はその後も得点、リバウンドを重ね、30得点15リバウンドを記録した。富士通もスタメン復帰したCFオコエ桃仁花が20得点と奮闘したが、チームリバウンドで18本の差を付けられたようにインサイドでの苦戦が目立った。GF谷口二千華が「相手のやりたいオフェンスで得点を取られて苦しい試合だった」と振り返ったように自分たちのリズムに乗れないまま、タイムアップのブザーを聞いた。

 

 司令塔のPG曽我部奈央は「インサイドを攻めつつ、スキがあればアウトサイドを狙った」とオフェンス陣を操った。試合前では勝ち点で並び日立ハイテクが富士通を得失点差で上回っていた。日立ハイテクが勝ち点差1で富士通を引き離し、東地区2位を守った。

 

 開幕8連勝の女王ENEOSはシャンソン化粧品を序盤から圧倒。第1Qから31得点を挙げるなど98-59と危なげない試合運びだった。19得点のエースのCF渡嘉敷来夢を上回る活躍を見せたのが、C梅沢カディシャ樹奈だ。34得点11リバウンド。フィールドゴール(FG)成功率は8割、フリースローは10本すべて成功させる高確率でゴールを決めた。

 

 守っては各Qの失点は16点以下に抑えた。連勝続ける女王は盤石。前半戦全勝ターンを狙う。

 

(写真:今季初勝利を挙げたものの、満足する様子はなかった東京羽田のモニィーク<左>と本橋)

 開幕から8連敗と苦しむ東京羽田と新潟の対決は、エース本橋の活躍で東京羽田が競り勝った。前半でスリーポイントを3本沈めるなど、14得点を挙げた。28-28の同点で迎えた第3Qで7得点し、このQで16-10と新潟を突き放した。試合終盤にFアイメレク・モニィークのスリーポイントが決まり、4点差の勝利。開幕から約1カ月でようやく今季初勝利を手にした。

 

 一方、敗れた新潟は開幕9連敗。FG成功率では東京羽田を上回ったものの、26得点13リバウンドと奮闘したCFロー・ヤシンが「オフェンスリバウンドを取られてしまった」とセカンドチャンスをつくれなかったことで得点を伸ばせなかった。守ってはCF菅原絵梨奈が「1本守り切ることができなかった」と言うように、相手エースに仕事をさせてしまった。

 

(文/杉浦泰介)