ドジャース、32年ぶり7度目のV! ~ワールドシリーズ~
日本時間28日、ワールドシリーズ第6戦がアメリカ・テキサス州アーリントン行われ、ロサンゼルス・ドジャースがタンパベイ・レイズを3-1で破り、32年ぶり7度目のワールドシリーズ制覇を果たした。ドジャースは1点を追う6回に暴投と野選で逆転に成功。8回にムーキー・ベッツのソロで1点を追加し、そのまま逃げ切った。
◇第6戦
アロザレーナ、PS新の10号も空砲(ドジャース4勝2敗、グローブライフ・フィールド)
タンパベイ・レイズ 1 = 100|000|000
ロサンゼルス・ドジャース 3 = 000|002|10×
勝利投手 ゴンサレス(1勝0敗)
敗戦投手 アンダーソン(1勝1敗)
セーブ ウリアス(1S)
本塁打 (レ)アロザレーナ3号ソロ
(ド)ベッツ2号ソロ
継投が勝敗を分けた第6戦を制したのはドジャースだった。
王手を掛けていたドジャースは先発マウンドにトニー・ゴンソリンを送った。就任5年目のデーブ・ロバーツ監督は悲願のワールドシリーズ制覇に向け、継投でチャンピオンリングを獲りにいく算段と思われた。しかし、先発のゴリンソンは初回にいきなり先制を許した。ランディー・アロザレーナにアウトコースの変化球をライトスタンドへ運ばれた。アロザレーナは自らが持つポストシーズン記録を更新する10本目のホームランだった。
もう1戦も負けられないレイズは一昨季のサイ・ヤング賞左腕ブレーク・スネルを立て、必勝体制を敷いた。スネルは首脳陣の期待に応え、三者連続三振で初回を終えるとスコアボードにゼロを並べる。5回1安打9奪三振と文句無しのピッチングを見せた。
スネルの前に沈黙していたドジャース打線は6回1死からオースティン・バーンズがセンター前ヒットで出塁した。打順は1番に回り、ベッツ、コリー・シーガーと続く。ベッツはボストン・レッドソックスに所属していた一昨季のワールドシリーズMVP、シーガーはこのポストシーズン8本塁打と当たっているバッターだ。
ここでレイズベンチが動いた。ケビン・キャッシュ監督はスネルに代え、右のニック・アンダーソンを投入した。アンダーソンはポストシーズンで3発ホームランを浴びており、防御率も5.02。不安要素は少なくない。
キャッシュ監督の采配は、ドジャースにとって吉と出た。ここまで2打数ノーヒットだったベッツがツーベースでチャンスメイク。一打逆転の好機で頼れるシーガーに打席が回った。すると0-1からの2球目、アンダーソンのワイルドピッチで労せずして同点のランナーを迎え入れた。
1死三塁となり、シーガーはアンダーソンの投じたボールを一塁方向へ弾き返した。ベース付近で捕球した崔志万はホームへ送球。好スタートを切っていたベッツはヘッドスライディングで滑り込み、キャッチャーのマイク・ズニーノのタッチより先にホームベースに到達した。フィルダーズチョイスでドジャースが逆転に成功した。
ロバーツ監督は小刻みな継投でレイズの反撃を許さない。7回2死から登板した7人目のロリオ・ウリアスに対しては最後までマウンドを任せた。メキシコ出身、24歳のサウスポーは1人もランナーを許さず、胴上げ投手となった。
3-1で試合を制したドジャースが1988年以来のワールドシリーズ制覇を果たした。7年連続地区優勝、ロバーツ監督就任以降は2度のワールドシリーズに出場しながら届かなかった頂点にようやく辿り着いた。
(文/杉浦泰介)