日本サッカー協会(JFA)は5日、オーストリア遠征で行われるパナマ代表戦(日本時間13日)とメキシコ代表戦(同18日)のメンバー24名を発表した。先月のオランダ遠征で所属クラブの諸事情により途中離脱したFW大迫勇也(ブレーメン)の招集は見送られた。また、DF長友佑都(マルセイユ)、MF橋本拳人(ロストフ)、FW浅野琢磨(パルチザン)が代表復帰を果たした。

 

 先月、オランダで行われたカメルーン代表戦では0対0、コートジボワール代表戦では1対0と、1勝1分けだった日本代表。アフリカの強豪を相手に無失点で切り抜けた守備陣の評価は高まった。特にDF吉田麻也(サンプドリア)とDF冨安健洋(ボローニャ)のセンターバックコンビのコンビネーションは抜群だった。

 

 一方で課題は攻撃面である。コートジボワール戦では途中出場を果たしたDF植田直通(セルクル・ブルージュ)が終了間際にセットプレーから得点し、勝利した。しかし、前回の遠征では流れの中での得点はなし。今回こそ、攻撃陣には奮起してもらいたいものだ。

 

 森保一日本代表監督は、課題についてこう語った。

「オーストリア遠征での2試合の課題はクロスの改善はやらないといけない。アタッキングサード(相手ゴール付近)でチャンスメイクし、得点をあげたい。10月(カメルーン戦、コートジボワール戦)の試合では流れの中からの得点が無かったので、流れの中からチャンスをつくり、得点に結び付けたい」

 

 さらに、これまで出場機会の少ない攻撃陣にも発破をかけた。

「出場時間が短い選手たちが、(奮起したいと)コメントしてくれるのは監督としては嬉しいし、ありがたい。選手たちには常に競争があると言っています。これまでの実績、これまでのチーム作りの中での経緯はあるが、絶対的なポジションを約束した選手はひとりもいない。序列はあっても、その序列は“これまでの序列”であり、“これからの序列”ではない。それを選手たちもわかってくれていると思います」

 

 今遠征では大迫の招集が見送られた。エース不在のコートジボワール戦ではFW鈴木武蔵(ベールスホット)がワントップを務めた。今まで見られなかった前線での粘りやポストプレーを披露したものの、肝心の得点はなかった。前回の遠征では各国の検疫ルールにより招集ができなかったスピード自慢のFW浅野琢磨(パルチザン)が復帰している。オランダ遠征では攻撃陣が不発だった分、今回はこの2人の爆発に期待したい。

 

<日本代表オーストリア遠征メンバー>

GK

川島永嗣(ストラスブール)

権田修一(ポルティモネンセ)

シュミット・ダニエル(シントトロイデン)

DF

長友佑都(マルセイユ)

吉田麻也(サンプドリア)

酒井宏樹(マルセイユ)

室屋成(ハノーファー)

植田直通(セルクル・ブルージュ)

板倉滉(フローニンゲン)

冨安健洋(ボローニャ)

菅原由勢(AZアルクマール)

MF

原口元気(ハノーファー)

柴崎岳(レガネス)

遠藤航(シュツットガルト)

伊東純也(ゲンク)

橋本拳人(ロストフ)

南野拓実(リバプール)

鎌田大地(アイントラハト・フランクフルト)

中山雄太(ズウォレ)

三好康児(アントワープ)

堂安律(ビーレフェルト)

久保建英(ビジャレアル)

FW

鈴木武蔵(ベールスホット)

浅野拓磨(パルチザン)

 

(文/大木雄貴)