男子バスケットボールリーグ「日本生命B.LEAGUE FINALS 2020-21」第3戦が1日、神奈川・横浜アリーナで行われた。東地区2位の千葉ジェッツふなばしが同優勝の宇都宮ブレックスを71-62で破り、初優勝を果たした。チャンピオンシップ(CS)MVPには、全試合で2ケタ得点を挙げた千葉ジェッツのC/PFセバスチャン・サイズが選ばれた。

 

◇ファイナル第3戦

 西村らベンチプレーヤーが36得点で貢献(千葉ジェッツ2勝1敗、横浜アリーナ)

宇都宮ブレックス 62-71 千葉ジェッツふなばし

【第1Q】18-21【第2Q】17-14【第3Q】15-15【第4Q】12-21

 

 クラブ創設10年目にして、初のリーグタイトルだ。B.LEAGUEがスタートしてからは、中止となった昨シーズンを除き毎シーズンCSに出場していたが、リーグ優勝は逃していた。

 

 リーグ5年目にして初の一発勝負ではなく2戦先勝方式となったファイナル。週末では1勝1敗と決着が着かず、1日の休養日を置いて迎えた第3戦だ。先制したのは初代王者の宇都宮だ。C/PFライアン・ロシターのパスからSFのLJ・ピークが決めた。PG鵤誠司がジャンプショットを沈めて4-0とリードする。

 

 千葉はSG/SF佐藤卓磨のスリーポイント、サイズがフェイドアウェイで追撃。競った展開が続く。4分を過ぎたところでPG富樫勇樹が連続ファウル。千葉の得点源がファウルトラブルで早々にベンチに下がることとなった。ここで代わりに入ったPG西村文男が身体を張ったプレーでチームを鼓舞。第1Qは21-18とリードで終えた。

 

 第2Q序盤は千葉のペース。西村のスリーに始まり、西村のアシストからPFギャビン・エドワーズのジャンプショット、インサイドからPFジョシュ・ダンカンが決めた。約3分、宇都宮にスコアを許さず、点差を10に広げた。

 

 一気に千葉へ流れが傾きかけたが、宇都宮がアウトサイドから盛り返す。ロシター、PG/SG遠藤祐亮の連続スリーで点差を詰めた。第1Qは9本打って1本も入らなかったスリーが決まり出し、追いついた。30-30の場面で富樫にスリーを決められた後もSG比江島慎がやり返す。前半は35-35。同点でハーフタイムを迎えた。

 

 第3Qは両軍一歩も譲らず15-15。第4Q序盤は宇都宮がスコアを走らせたが、そこから追い抜き逃げ切ったのは千葉だった。ベンチプレーヤーのSG/SFシャノン・ショーターが得点力を発揮し、このQだけで10得点。最後は宇都宮がファウルゲームに持っていき、スリーで追撃を図ったが、外からのシュートはリングに嫌われた。71-62でブザーが鳴り、千葉はCSファイナル“3度目の正直”で、ついに悲願を達成した。

 

(文/杉浦泰介