千葉ロッテマリーンズの新入団選手発表会が17日、千葉市内で行われ、育成ドラフトで指名を受けた宮本裕司捕手(高知)、小林憲幸投手(徳島)、白川大輔内野手(高知)の3選手が約400人のファンの前でユニホーム姿を披露した。背番号は宮本が「122」、小林が「123」、白川が「124」に決まった。

(写真:左から白川、小林、宮本)
 育成選手の発表は、高校生ドラフトと大学生・社会人ドラフトで指名を受けた8選手の発表に先駆けて実施された。1人1人、名前を呼ばれ、ステージ上でスポットライトを浴びると、マリーンズファンから歓声と拍手が起こる。「(声援が)すごくてビックリした」と3選手は一様に驚いていたが、小林は客席に最敬礼をし、投げキッスをして、早速、ファンの心を掴んだ。「これまでも気合で這い上がってきた。元気では誰にも負けない」。“気合の男”と自らを紹介した小林は「まだまだこれからアピールしますよ」と力強く宣言した。

 会場の熱気に刺激を受けたのか、宮本からも「本日は僕のためにたくさんお集まりいただきありがとうございます(笑)」とジョークが飛び出す。「小さい頃から、プロのユニホームを着ることが憧れでした」。夢が叶った喜びを素直に表現した。「1日も早くマリンスタジアムを駆け巡りたい」。高知では捕手のみならず、外野のポジションも経験済。持ち味である打撃と足の速さをいかすため、与えられたポジションに精一杯取り組むつもりだ。

 一方、リーグ1年目でNPB入りを果たした白川はやや緊張気味。「本当は来年、弟(勇輔内野手、徳島へ入団)と一緒にプレーするはずだったんですけどね」。まだユニホームに袖を通した実感が沸かないようだったが、「足と肩をアピールして、1日も早く支配下登録されたい」と19歳の若者らしく、しっかりファンに挨拶した。

 大勢の祝福を受け、うれしい入団発表となった3人は、その後、本指名選手の会見をファン、関係者とともに客席で見学した。今年のロッテの目玉は、高校生ドラフト1巡目指名の唐川侑己投手(成田)。中田翔外野手(北海道日本ハム)、佐藤由規投手(東京ヤクルト)と並び、今年の高校生“BIG3”と称される逸材だ。地元出身の右腕に対する期待は大きく、ファンは多数の横断幕で歓迎ムードを演出した。
(写真:「中田選手(日本ハム)を打ち取りたい」。会場を沸かせた唐川)

 笑顔で質問に答え、サインボールを投げ込んで大声援に応える壇上の本指名選手たちの姿を目の当たりにして、3選手は自らの置かれている立場をあらためて実感できたようだ。
「期待度が違うんだと知った。本当に悔しかった」。小林は唇をかみしめた。宮本も「他の育成選手は僕より若い。僕に残された時間はない。自主トレで体をつくるのではなく、そこから全力でアピールしないといけない」と気を引き締めた。白川からは「今からがスタート。まずはNPBで通用する体をつくっていきたい」と今後の課題が出た。

 育成選手の肩書きをとらないことには、1軍昇格はおろかマリンスタジアムで熱い応援を受けてプレーすることもできない。「まずは支配下登録」。発表会を終え、3選手は異口同音に決意表明した。後にはひけないサバイバルゲームは、もう始まっていると言っても過言ではない。
(写真:育成選手も含めたロッテの新入団選手たち)

「這い上がってこいよ!」
 ステージを去る育成選手たちに、ファンの1人が声をかけた。その言葉は3人の心にきっと深く刻み込まれたことだろう。


<高知、独自のトライアウトで合格者発表>

 高知ファイティングドッグスは15日に高知市営球場で行った球団独自のトライアウトの合格者を発表した。合格したのはBCリーグの石川ミリオンスターズを戦力外となった堀聖治内野手ら3選手。また地元・岡豊高出身の枝重栄成ら2選手は練習生扱いでの合格となった。練習生は練習への参加は可能だが、登録選手とは異なり、報酬の支払いや住居の提供はない。試合にも出場できない。

 当初、高知球団のトライアウトは地元出身者や関係者を対象としていたが、人数が少なかったため、リーグの合同トライアウトに参加した選手を受け入れて計12名で試験を実施した。合格者は以下のとおり。なお、17日に開設した球団公式サイトでもトライアウトの結果が更新されている。

高知ファイティングドッグス
<内野>
 堀聖治(ほり・せいじ) 右投右打、石川ミリオンスターズ、23歳
 保延佳亨(ほのべ・よしゆき) 右投両打、駿台甲府高−専修大−山梨球友クラブ、21歳 ※外野も可能
<外野>
 中平大輔(なかひら・だいすけ) 右投左打、高知高−中央大−ワイテック、26歳
<練習生>
 枝重栄成(えだしげ・ひであき) 右投両打、岡豊高−福山大、21歳
 海治智徹(うみぢ・ともゆき) 右投左打、土佐高−九州共立大−レ・スターズ、22歳


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