現地時間19日、ボクシングのWBAスーパー・IBF世界バンタム級タイトルマッチがアメリカ・ネバダ州ラスベガスのヴァージンホテルズ・ラスベガスで行われ、王者の井上尚弥(大橋)がIBF同級1位マイケル・ダスマリナス(フィリピン)を3ラウンド2分45秒TKOで破った。井上はWBAを5度目、IBFを3度目の防衛を果たした。通算戦績は21戦全勝(18KO)となった。

 

 井上がIBF指名挑戦者を3ラウンドで一蹴した。バンタム級最強を証明するための4団体統一に近付いた。

 

 1ラウンドは様子を窺うように慎重な立ち上がり。相手の力量を図るのは3分あれば十分だったようだ。2ラウンドは前に出た。1分50秒が経過したあたりで早速ダウンを奪った。ワンツーからの左フック。ダスマリナスはたまらずヒザをついた。右脇腹を抑え苦悶の表情を浮かべた。このラウンドは倒し切れなかったが、決着は時間の問題か思われた。

 

 3ラウンド、相手のプレッシャーをかけながら攻め続ける。ガードを解き、挑戦者を仕留めにかかった。残り50秒切ったところで左ボディを炸裂させた。キャンバスに寝転ぶダスマリナス。挑戦者はカウント9で戻ってきたものの、井上はラッシュを仕掛け、最後も左ボディで倒した。それを見たレフェリーが試合を止めた。

 

 ラスベガスでの2連続KO防衛は現地の評価を上げたはずだ。WBC王者ノニト・ドネア(フィリピン)、WBO王者ジョンリル・カシメロ(フィリピン)というライバルがリングサイドで見守る中、圧倒的な強さを見せつけた。そのドネアとカシメロは8月に統一戦を行う可能性が浮上した。バンタム級最強を目指す井上からすれば、その勝者との対戦にこぎつけたい。

 

(文/杉浦泰介)