東京五輪・柔道女子48キロ級決勝で渡名喜風南(パーク24)がディストリア・クラスニチ(コゾボ)に敗れた。残り20秒で渡名喜はクラスニチに内股で技ありを取られた。渡名喜は今大会において日本人第1号メダリストとなった。

 

 渡名喜は2回戦からの出場となった。準々決勝でリオデジャネイロ五輪の金メダリスト、パウラ・パトレ(アルゼンチン)と対戦。リオ五輪女王相手に腕ひしぎ十字固めで一本勝ちを収めた。準決勝ではダリア・ビロディド(ウクライナ)と対戦し、延長戦の末に横四方固めで一本勝ち。

 

 決勝戦の相手は世界ランキング1位のクラスニチ。渡名喜は得意の足技と寝技を織り交ぜながら積極的な姿勢を見せた。しかし、世界ランク1位のクラスニチも果敢に攻めてきた。

 

 ゴールデンスコア(延長戦)突入もよぎった残り20秒。クラスニチの内股を決められ、技ありを奪われた。渡名喜は反撃を試みるが、クラスニチに時間をうまく使われ、試合終了のブザーが鳴った。身長148センチと小柄ながら体幹トレーニングに人一倍時間を費やした。この日も寝技から活路を見出す場面が多かった。本人は「自分の弱さが最後に出た」と唇を噛んだ。

 

 渡名喜のメダルで、日本勢としては夏冬通算500個目のメダル獲得となった。

 

(文/大木雄貴)