東京五輪・柔道男子66キロ級決勝戦が日本武道館で行われ、阿部一二三(パーク24)がバザ・マルクベラシュビリ(ジョージア)に優勢勝ちし、金メダルを獲得。女子52キロ級で金メダルを獲得した妹の詩と兄妹で同日金メダル獲得は史上初の快挙となった。

 

 阿部一二三は初戦から積極的に仕掛けるものの、キリアン・ルブルク(フランス)の堅い守りを崩せず勝負はゴールデンスコア(延長戦)にもつれた。阿部一二三は袖釣り込み腰を仕掛けると見せかけ、大外刈りで一本勝ちを収めた。

 

 準々決勝ではブダペスト世界選手権銅メダリストのバスフー・ヨンドンペレンレイと対戦。世界選手権メダリスト相手にも初戦と同じ流れから大外刈りで技ありを奪い優勢勝ち。

 

 準決勝ではダニエル・カルグニン(ブラジル)と対戦。このブラジル人は準々決勝で世界ランキング1位のダニエル・ロンバルド(イタリア)を破り、勢いに乗っていた。この強敵を阿部一二三は2分半、巧みな背負い投げで一本勝ちした。

 

 決勝ではバザ・マルクベラシュビリ(ジョージア)と当たった。フィジカルに長ける相手にも阿部一二三は冷静に対応。迎えた2分、阿部一二三はダイナミックな大外刈りを仕掛ける。これで技ありを奪い、優勢勝ちを収めた。同日に兄妹で金メダルを胸に飾ったのは五輪史上初の快挙となった。

 

(文/大木雄貴)