東京五輪・アーチェリー男子団体競技が26日、夢の島公園アーチェリー場で行われ、日本(河田悠希、古川高晴、武藤弘樹)は3位決定戦でオランダを相手にシュートオフの末に競り勝ち、銅メダルを獲得した。このメダルで日本は同種目初のメダル獲得となった。

 

 迎えたオランダとの3位決定戦。第1セットは日本55、オランダ58で落とした(河田①10、古橋①8、武藤①10、河田②9、古橋②9、武藤9)。セットカウントは0-2。

 

 第2セット、先行は日本。一人目の河田が10点をマークし流れを作る。オランダは2巡目の二人目の選手が6点と痛恨のミス。これが大きく響き日本が54対52でこのセットを取った(河田①10、古橋①8、武藤①10、河田②9、古橋②9、武藤8)。セットカウントは2-2。

 

 第3セット、ここでオランダが驚異的な集中力を発揮する。10、9、9、10、9、10=57と第1セットに次ぐ高得点を連発。日本は再びリードを広げられた(河田①10、古橋①8、武藤①9、河田②8、古橋②10、武藤8)。セットカウントは2-4。

 

 第4セット、シュートオフへと持ち込みたい日本。3位決定戦で10点を出せていない古川と、エース武藤が魅せた。一巡目、ベテラン・古川がついに10がマーク。二巡目に入ると一人目の河田が風の影響を受け、時間を使い、落ち着いて9点を記録した。三人目の武藤に残された時間は13秒前後。短い時間でも集中力を欠くことなくエースは10点を射抜いてみせた。オランダは三人目が8点と振るわず、57対53。セットカウント4-4、日本が追いつき、勝負はシュートオフに持ち込まれた((河田①9、古橋①10、武藤①10、河田②9、古橋②9、武藤10)。

 

 日本は三人目が中心を射抜き、シュートオフへ。一方、オランダは外してシュートオフへ。流れは日本に傾いていた。シュートオフではオランダが先行。一人目=10、二人目=9、三人目=9。日本は河田=9、古橋=9。エース武藤に勝負は託された。オランダ一人目の10より中心を射抜けなければ敗れる。緊張感が走る中、武藤は時間をかけて、落ち着いて矢を放った。武藤の矢は見事、オランダよりも中心を射抜き、日本は銅メダルを胸に飾った。日本にとって男子団体で初となるメダルとなった。

 

(文/大木雄貴)

 

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