東京五輪女子サッカーのグループリーグ第3戦が27日、各地で行われた。グループE3位のなでしこジャパン(女子日本代表)は同4位・チリ代表と宮城スタジアムで対戦し、1対0で勝利した。試合は後半32分、FW田中美南(INAC神戸)が先制点を決めて、逃げ切った。この結果、なでしこはグループE3位ながら他グループの結果、決勝トーナメント進出を決めた。なでしこの次戦は30日、埼玉スタジアムでG組1位のスウェーデン代表と対戦する。

 

 田中、初戦のPK失敗を帳消しにする得点(宮城スタジアム)

なでしこジャパン 1-0 チリ代表

【得点】

[な] 田中美南(77分)

 

 1分け1敗、勝ち点1のグループE3位のなでしこはこの試合、勝てばグループリーグ突破が決まる。引き分ければ他グループの結果次第となる。

 

 なでしこは前半からチリを相手に好機を演出するものの得点に結びつけられなかった。2分、FW菅沢優衣香(浦和レッズレディース)の右足ミドルシュート。17分にはMF杉田妃和(INAC神戸)がペナルティーエリア内左から得意の左足を振り抜くが相手GKに阻まれた。

 

 18分には再び菅沢にチャンスが訪れる。スルーパスに反応し、相手DFラインの裏に抜け出たものの右足で放ったシュートは枠の外。21分には杉田の決定的なスルーパスをペナルティーエリア内で受けたFW岩渕真奈(アーセナル)が左足でゴール右を狙うものの相手GKの好守に阻まれた。

 

 後半開始と共に高倉麻子監督は菅沢に代えて、FW田中美南(INAC神戸)を、5分にはMF遠藤純(日テレベレーザ)を、21分には18歳の最年少、木下桃香(日テレベレーザ)を投入し、流れを変えようと試みた。

 

 高倉監督の采配が的中したのは、32分だった。ピッチ中央から杉田が鋭い縦パスでペナルティーエリア内の岩渕につける。岩渕は敵を背負いながらダイレクトで右足アウトサイドでフリック気味にポストプレー。これに反応した田中が右足でふわりと浮かせ、冷静にゴールに流し込んだ。初戦でPKを外したが、見事、汚名返上となった。

 

 このままなでしこは焦るチリを尻目にうまく時計の針を進めてタイムアップ。なでしこはグループEを3位で決勝トーナメント進出を果たした。

 

(文/大木雄貴)