24日、東京パラリンピック開会式が東京・国立競技場で行われた。今大会は難民選手団を含め162の選手団が参加する。総勢4403人は史上最多の参加者数。22競技539種目が明日から9月5日までの12日間行われる。

 

 東京オリンピック閉幕から16日後、パラリンピックが開幕した。オリンピック同様国立競技場での開会式は無観客での実施となった。『WE HAVE WINGS』(私たちは翼を持っている)をコンセプトに、片翼の飛行機に扮した少女が空を飛ぼうとする物語で<勇気を出して「翼」を広げることで、思わぬ場所に到達できる>姿を表現した。
 
 IPC(国際パラリンピック委員会)のアンドリュー・パーソンズ会長は「パラリンピックは(世界にいる障がい者の)12億の人々の人生を変える。それがスポーツの力です。人々の行く末と社会を変革する力。変化はスポーツから始まります。明日からパラリンピックアスリートたちが世界を変えていくでしょう」と力強くスピーチ。時に身振り手振りを加えながら、熱く語った。
 
 日本選手団団長を務めるJPC(日本パラリンピック委員会)の河合純一委員長は、パラリンピックを「人間の可能性の祭典」と表現する。1週間前に行われた結団式でこう述べていた。
「パラリンピアンのパフォーマンスは“できない”を“できる”に変えるという人間の可能性に気付かせ、多様性を認め合える活力ある共生社会を実現する原動力になると確信しています。特に子供たちの中に芽生えた小さな気付きは、必ずや社会をポジティブなものに変え、次世代へと継承されていくことでしょう」
 
 パーソンズ会長、河合委員長が口にしたように、パラリンピックに寄せられる期待は大きい。果たして社会を変える“翼”となれるのか。人間の可能性を示す12日間の祭典が生み出す熱や風を見届けたい。
 
(文/杉浦泰介)