1月29日、再開催となったハンドボールの北京五輪アジア予選女子が東京・国立代々木競技場で行われ、日本は韓国に21−34で敗れて、この大会での五輪切符獲得とはならなかった。日本は3月の世界最終予選に回り、76年モントリオール大会以来の五輪出場を目指す。

◇1月29日、東京・国立代々木競技場
日本  21−34(前半12−18) 韓国
 試合開始早々、韓国が先制点をあげ、日本もすぐに追いつき1−1とするが、そこから一気に6点差をつけられるなど序盤から劣勢となる。流れを引き寄せたい日本だったが、得点が続かず、前半は12−18で終了。後半韓国の厳しいディフェンスを打ち破ることができず、さらには要所でのミスも響き、韓国に連続得点を許してしまう。

 エースの田中(ソニー九州)、チーム2番目の5得点をあげた谷口(ドイツ・リーザ)のシュート、GKの勝田(オムロン)、飛田(ソニー九州)の好守で追いすがった日本だったが、終盤は点差が開く一方。21−34で、アテネ五輪銀メダルの地力の前に完敗した。

 試合前日の会見で「韓国と日本は力の差は否めないものがある」と語っていたベルト・バウワー監督は試合後、「負けるとしても、もう少し僅差で終わりたかった。今日は非常にナーバスだったこともあるのか、ミスが多かった」と振り返った。予想以上に差がついてしまったことについては「日本はこのようなプレッシャーのかかる中で試合をすることが少なかった。韓国は逆にそういう場面を多く経験している」と経験の差をあげた。さらに「戦術の前に、筋力、フィジカル面での差が大きかった。2016年の五輪を目指すなら、そこを強化しなければならないだろう」と指摘した。

 女子主将の佐久川(オムロン)は「最初からディフェンスで相手に押し込まれて、シュートに行かれてしまって差がついて、攻撃ではテクニカルミスが非常に多かった。そこが勝敗が分かれた理由だと思う」と敗因を分析。「当たり負けをしないようにトレーニングをして、最終予選に臨みたい」と、気持ちを3月の世界最終予選に向けていた。

 今大会では審判の判定にも注目が集まったが、ヨーロッパでのプレーや指導経験が豊富なバウワー監督は、IHF派遣のデンマーク人ペアの審判について「スーパーだった。(本場である)ヨーロッパのレフェリーのレベルで何も言うことはない」と評価した。

 昨年のアジア予選の結果同様、世界最終予選に回ることとなった日本女子代表。強豪・ヨーロッパ勢が揃う中、勝ち抜くのは厳しいが、この日韓戦での経験を糧に五輪切符をかけたラストチャンスに挑む。
(写真:日本女子の司令塔・田中選手)
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