ボクシングWBC世界ライトフライ級タイトルマッチが19日、京都市体育館で行われ、前王者の寺地拳四朗(BMB)が現王者の矢吹正道(緑)を3ラウンド1分11秒TKOで下し、昨年9月に失ったベルトを取り戻した。矢吹は初防衛に失敗し、王座陥落となった。

 

 寺地はプロデビューからの連勝、連続防衛記録をストップされた地で、再びベルトを巻いた。

 

 序盤から前に出て、矢吹にプレッシャーをかけた。間合いを詰めながらジャブ、ストレートと決定打はなかったが、優勢に試合を進めた。

 

 試合が動いたのは3ラウンド。依然としてプレスをかける寺地。矢吹をコーナーに追い込みながら、パンチを当てていく。相手の離れ際、右ストレートを一閃。矢吹はキャンバスに沈んだ。なんとか立ち上がったものの、レフェリーが試合を止めた。

 

 昨年9月の試合は、寺地の新型コロナウイルス感染による12日間の延期で開催された。コンディションは万全ではないのは明らかで、結果も10ラウンドTKO負け。試合中のバッティングについても、試合後ひと悶着あり、すっきりしないかたちでベルトを失っていた。

 

 WBCの指示により組まれた5カ月ぶりのダイレクトリマッチで、寺地は王座に返り咲いた。連続防衛へのリスタート。アマチュア時代のライバル・WBAスーパー王者の京口紘人(ワタナベ)らと統一戦に向かうのか。今後の動向に注目だ。

 

(文/杉浦泰介)