女子マラソン・小林香菜、日本勢3大会ぶりの入賞 ~世界陸上東京大会~

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 14日、東京2025世界陸上2日目が行われ、女子マラソンは小林香菜(大塚製薬)が2時間28分50秒で7位に入った。同種目の入賞は19年ドーハ大会の谷本観月以来、3大会ぶり。金メダルは東京オリンピック金メダリストのペレス・ジェプチルチル(ケニア)が2時間24分43秒で制した。そのほかの日本勢は佐藤沙也加(積水化学)が13位、安藤友香(ワコール)が28位だった。女子100mハードルは予選に日本人3選手が参加。福部真子(日本建設工業)、中島ひとみ(長谷川体育施設)が準決勝進出。田中佑美(富士通)は予選敗退となった。

 

 早稲田大学時代は「早稲田ホノルルマラソン完走会」所属だったという小林。大学卒業後、大塚製薬に入社してから頭角を現した異色のランナーだ。今年1月の大阪国際女子マラソンで自己ベストの2時間21分19秒をマークし、パリオリンピック6位入賞の鈴木優花(第一生命)に先着。初の世界大会代表を掴み取った勢いそのままに、自国開催の大舞台で力を発揮してみせた。日本陸上競技連盟の高岡寿成シニアディレクターも「彼女には驚かされてばかり。今回、彼女の可能性の大きさを改めて感じました」と舌を巻いた。

 

(写真:秋葉原など東京の名所を駆け抜けた ©Mattia Ozbot for World Athletics)

 出足の1kmは3分30秒とスローペース。小林は臆することなく集団から飛び出した。「夏のレースで、大きな大会だから牽制し合うと思っていた。(大塚製薬の)河野匡監督からも『自分のペースで、下手に抑えなくていい』と言われていました」。3kmあたりからはスザンナ・サリバン(アメリカ)に先頭を譲ったが、3、4番手をキープした。

 

 序盤は抑えていたジェプチルチル、パリオリンピック銀メダリストのティギスト・アセフ(エチオピア)らアフリカ勢は20km前後で一気にペースアップ。小林もとらえられた。「いつかは来ると思っていましたが意外と早く来た。あとは鬼ごっこみたいな感じで。抜かれたから、ここからは追いかけようと粘りました」と小林。一時は2桁まで順位を落としたが、粘り強かった。

 

「超高速ピッチ走法」と言われる走りで、前を追う。1人ずつ着実にとらえ、35km手前で入賞圏内の8番手に浮上した。7番手で国立競技場のトラックに戻ってくると、優勝争いで激しいトラック勝負を見せたジェプチルチルとアセフに対する以上の大歓声で迎えられた。

「本当に今までのレースと比べものにならないぐらい歓声が大きくて。42キロは長くてつらいけど、皆さんのおかげで楽しく感じることができました」

 

 小林を指導する河野監督は「狙うところは入賞だった。労が報われた」と教え子の奮闘を喜んだ。
「体調が崩れたり、足を痛めたりすることもなく(予定していた)練習を修正することがなかった。ある程度のベースはずっと継続できているから走り切る不安はなかった」と信じ、大舞台に送り出した。

 24歳のニューヒロインは「こういう世界の舞台を経験できたのは強みになると思う。これを無駄にしないように、しっかりとロサンゼルス(オリンピック)に向けても準備していきたいです」と意気込んだ。

 

(文/杉浦泰介)

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