10日、第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の1次ラウンド・プールBの2試合が東京ドームで行われた。侍ジャパン(野球日本代表)は韓国に13対4で大勝。侍ジャパンは3回表に先制を許したものの、その裏に逆転に成功した。13安打13得点をあげ2連勝。もう1試合は初出場のチェコが中国に8対5で逆転勝ちを収めた。

 

◇1次ラウンド・プールB

 10投手起用も実らず2連敗(東京ドーム)

韓国

4=003|001|000

13=004|025|20X

日本

勝利投手 ダルビッシュ有(1勝0敗)

敗戦投手 キム・グァンヒョン(0勝1敗)

本塁打 (韓)ヤン・ウィジ2号2ラン、パク・コンウ1号ソロ

    (日)近藤健介1号ソロ

 

 第1回大会は準決勝、第2回大会では決勝で対戦した両国。WBCでは14年ぶりの日韓戦は、第2回大会に出場したダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)とキム・ガンヒョンの先発で試合はスタートした。いずれも2回をゼロに抑えた。

 

 試合が動いたのは3回だ。無死二塁からヤン・ウィジがレフトスタンド上段へ2試合連続の一発。3番イ・ジョンフにもタイムリーが飛び出し、韓国が3点を先制した。

 

 侍ジャパンもその裏、フォアボールで出塁した源田壮亮(埼玉西武)が足でかき回す。キム・ガンヒョンの牽制をかいくぐり、二盗で得点圏に進んだ。9番の中村悠平(東京ヤクルト)が四球を選び、一、二塁とすると打席にはラーズ・ヌートバー(セントルイス・カージナルス)のセンター前ヒットで1点を返す。

 

 さらに攻撃は続き、近藤健介(福岡ソフトバンク)がタイムリーで1点差に。大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)が敬遠で満塁となり、1死後、5番の吉田正尚(ボストン・レッドソックス)が2点タイムリーで逆転に成功した。

 

 5回裏には近藤がライトスタンドへ運び、吉田にタイムリーが生まれてリードを3点差に広げた。6回表に1点を返されたものの、その裏に無死満塁のチャンスをつくると近藤の押し出し四球、大谷のタイムリーなどで5点を奪った。

 

 7回裏に2点を追加した侍ジャパンは、コールドこそできなかったが13対4と大勝した。投手陣はダルビッシュ以降、今永昇太(横浜DeNA)が3回1失点。宇田川優希(オリックス)、松井裕樹(東北楽天)、髙橋宏斗(中日)の3人が1イニングずつゼロで抑えた。

 

 前日、ファインプレーに加え、2安打2四球と攻守に活躍したヌートバーは、この日もハッスルプレーで東京ドームを沸かせた。逆転の口火を切ったタイムリーを含む2安打1死球で3出塁を果たした。この日もセンター前に落ちそうな当たりをダイビングキャッチ。侍ジャパンの起爆剤となっている。

 

 11日は佐々木朗希(千葉ロッテ)が先発予定。岩手出身の佐々木が3・11という特別な日にマウンドに上がる。

 

(文/杉浦泰介)

 

 ムジーク、9回に逆転アーチ(東京ドーム)

チェコ

8=201|001|004

5=000|010|400

中国

勝利投手 マレク・ミナリク(1勝0敗)

敗戦投手 ゴン・ハイチェン(0勝1敗)

本塁打 (チ)マチェイ・メンシク1号ソロ、マルティン・ムジーク1号3ラン