11日、第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の1次ラウンド・プールBの2試合が東京ドームで行われた。侍ジャパン(野球日本代表)はチェコに10対2で大勝。打線は2試合連続の2ケタ安打(11)&得点を挙げた。先発の佐々木朗希(千葉ロッテ)は4回途中1失点。その後を宇田川優希と宮城大弥のオリックスコンビが反撃を1失点で抑えた。もう1試合はオーストラリアが中国に12対2でコールド勝ち。3連敗の中国は1次ラウンド敗退が決定した。

 

◇1次ラウンド・プールB

 3番手・宮城、5回1失点の好リリーフ(東京ドーム)

チェコ(1勝1敗)

2=100|010|000

10=003|410|02X

日本(3勝)

勝利投手 佐々木朗希(1勝0敗)

敗戦投手 オンジェイ・サトリア(0勝1敗)

セーブ  宮城大弥(1S)

本塁打 (日)牧秀悟2号ソロ

 

 侍ジャパンが3連勝で準々決勝進出にグッと近付いた。

 

 12年前の3月11日、未曾有の被害をもたらした東日本大震災。岩手県陸前高田市出身の佐々木は当時・9歳だった。その特別な日にWBCデビュー。先発マウンドを託した栗山英樹監督は「そういう日に先発するのは、野球の神様が『朗希頑張れ』というメッセージを送っていると僕は思っている」と表現した。

 

「今日、このマウンドに立てたことに感謝しました」と佐々木。初球162kmのストレートを投じると、その後も160km台のストレートを連発した。ショート中野拓夢(阪神)の送球エラーで1点を失ったが、落差の大きい140km台のフォークで2三振を奪った。佐々木は2回、3回も2個ずつ三振を奪い、リズムをつくる。

 

 すると3回裏、打線が佐々木を援護する。2番の近藤健介(福岡ソフトバンク)が二塁打。4番の村上宗隆(東京ヤクルト)が四球を選び、チャンスを広げた。ここで5番の吉田正尚(ボストン・レッドソックス)が初球をレフトへ運ぶ2点タイムリーヒットを放つ。続く山田哲人(ヤクルト)がレフト前へのタイムリーで3対1と逆転した。

 

 リードをもらった佐々木は4回表も2奪三振。フィリップ・スモラをフォークで空振り三振に切って取った時点で1次ラウンド投球制限(65球)に超えたため、ここでマウンドを降りた。2死一塁でマウンドに上がったのは宇田川優希(オリックス)が3球三振で締め、この回もゼロで抑えた。

 

 4回はラーズ・ヌートバー(セントルイス・カージナルス)、近藤、大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)の連続タイムリーなどで4点を加えた。5回に牧原大成(ソフトバンク)がタイムリー、8回には牧秀悟(横浜DeNA)の一発などで2点を挙げ、2試合連続の2ケタ安打&2ケタ得点を記録した。

 

 5回から登板した宮城は2安打を許した後、ショートゴロの間に1点を失ったものの、その後は盤石のピッチングを見せた。8回1死から5者連続三振に切って取り、試合を締めた。これで侍ジャパンは3連勝。次戦はこの日、中国をコールドで破ったオーストラリアと対戦する。ここまで無敗同士の対決、先発予定は山本由伸(オリックス)。2連連続沢村賞&MVPの右腕に準々決勝進出は託された。

 

(文/杉浦泰介)

 

 5番ウィングローブ、先制打含む2安打4打点(東京ドーム)

中国(3敗)

2=000|200|0

12=302|501|1X(7回コールド)

オーストラリア(2勝)

勝利投手 カイル・グロゴスキ(1勝0敗)

敗戦投手 チー・シン(0勝1敗)

本塁打 (オ)ロビー・グレンディニング2号2ラン