12日、第5回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の1次ラウンド・プールBの2試合が東京ドームで行われた。侍ジャパン(野球日本代表)はオーストラリアに7対1で勝利。守っては5投手の継投でオーストラリア打線を5安打1点に封じた。打っては大谷翔平(ロサンゼルス・エンゼルス)の一発などで7得点を挙げた。もう1試合は韓国がチェコに7対3で今大会初勝利。これで侍ジャパンは1位突破が確定した。16日の準々決勝でプールA2位イタリアと対戦する。

 

◇1次ラウンド・プールB

 先発・山本、4回1安打無四球無失点(東京ドーム)

日本(4勝)

7=320|110|000

1=000|000|001

オーストラリア(2勝1敗)

勝利投手 山本由伸(1勝0敗)

敗戦投手 ウィル・シェリフ(0勝1敗)

本塁打 (日)大谷翔平1号3ラン

    (オ)アレックス・ホール1号ソロ

 

 試合前に韓国の勝利で準々決勝進出が決定。勝てばプールB1位通過が決まる試合で大谷に待望のWBC1号が生まれた。「子供の頃から夢見ていて、早く1本打ちたいと思っていた」と本人。1回、ラーズ・ヌートバー(セントルイス・カージナルス)が四球、近藤健介(福岡ソフトバンク)のヒットで一、二塁の場面だった。

 

 カウント0-1からの2球目、甘く入った変化球を振り抜いた。バッターボックスで見上げた打球は自身が出演する広告の看板を直撃する特大ホームランだ。「久々にいい打球を打てて、いい景色だったなと思います」。この日の先発・山本由伸(オリックス)に3点をプレゼントした。

 

 援護をもらった山本は、先頭バッターのティム・ケネリーから三振を奪うと、2番アレックス・ホールをセカンドゴロに打ち取った。2試合連続ホームラン中の3番ロビー・グレンディンニングを見逃し三振に仕留めた。

 

 リズムに乗った侍ジャパンは2回表、8番の中野拓夢(阪神)がヒットで出塁し二盗、9番の中村悠平(東京ヤクルト)が送りバントで無死三塁のチャンスをつくった。1番のヌートバーがセンター前に弾き返すタイムリーヒット。ヌートバーが二盗で再び得点圏に進めると、近藤も右中間を破るタイムリーツーベースで続いた。

 

 先発の山本は快調なピッチングを披露する。150km台のストレートを軸に多彩な変化球でオーストラリア打線に的を絞らせない。1回に続き2回も3回も2奪三振。4回に更なる援護点をもらうと、1死から2者連続三振に切って取った。1安打無四球8奪三振申し分のない出来でマウンドを降りた。

 

 5回にも1点を加えた侍ジャパン。その裏から継投へ。高橋奎二(ヤクルト)が2イニング、大勢(巨人)、湯浅京己(阪神)、髙橋宏斗(中日)が1イニングずつ投げて試合を締めた。これでプール戦4戦全勝。1位通過が決まり、中3日でプールA2位に入ったイタリアとアメリカ行きをかけて戦う。

 

(文/杉浦泰介)

 

 先発パク・セウン、5回途中無失点の好投(東京ドーム)

チェコ(1勝2敗)

3=000|000|210

7=510|000|10X

韓国(1勝2敗)

勝利投手 パク・セウン(1勝0敗)

敗戦投手 ルカシュ・エルツォリ(0勝1敗)

セーブ  イ・ヨンチャン(1S)

本塁打 (韓)キム・ハソン1号ソロ、2号ソロ