S船橋・東京ベイ、“繋がり”の深さ問われるバイウイーク明けの一戦 ~リーグワン~

8日の花園L戦の登録メンバーは、キックオフの48時間前に発表された。HO杉本博昭が今季初先発、SH岡田一平が今季初のメンバー入り。一方でSOバーナード・フォーリーは14試合連続スタメン入りとなった。6日にオンライン会見に出席した杉本が「ワクワクしている」と口にすれば、フォーリーは「非常にエキサイティングな気持ち」と次節に向けての心境を語った。
ここまで11勝1分け1敗と勝ち点51。昨季の勝利数(12)を上回るペースだ。負けてもおかしくない試合を引き分けたり、勝ったりしていることからも、苦しい試合を勝ち切れる勝負強さが付いてきたように思える。チームが安定した成績を残せるのは、戦力が充実してきたことも無縁ではないだろう。外国出身選手と1年限りの契約というケースが比較的少ない傾向にあるのは、中長期的なチームづくりを進めていることだけではあるまい。

「チームの外国籍選手の特徴は仲が良いこと。トップにフラン・ルディケコーチがいるので、コネクションを強く感じますね。だから長くい易い環境にあるのかな、と。僕は率先してしゃべりに行きますね。南アフリカの挨拶の仕方やオーストラリア、ニュージーランドの挨拶など同じ英語でも微妙に違う。ハイタッチをしたり握手をしたり、そういう小さいことの積み重ねて繋がれている」
在籍4季目のフォーリーも「(チームを)エンジョイしている」と言い、強いチームの条件をこう説明する。
「オンフィールド、オフフィールドのいいバランスがあり、チーム文化が根付いていて、しっかりした繋がりがあるチームが成功している。居心地が良く、チームに対する愛情を抱き、役割にコミットできるかも大事」
ゆえにオンフィールドのみならず、オフフィールドのコミュニケーションも大切にしている。「繋がりを意識している」とフォーリー。抜群のコンビネーションを見せるWTB木田晴斗ら若手選手たちとも食事に出かけるという。

ラグビーは助け合いのスポーツである。チームスポーツすべてがそうとも言えるが、前方にあるゴール目指しながら、前方に手でパスを送ることができないという、ある種、理不尽なルールを抱えている。1人で流れを変えることはできたとしても、1人でチームを勝たせることなど不可能と言っていい。
誰が為に闘える者は強い――。エビデンスなどないが、それは個人競技だろうが団体競技だろうが、どのスポーツにも共通していることである。バイウイーク明けの第14節は、2週間の準備の成果だけでなく、各チームの繋がりの深度が問われる一戦となりそうだ。
(文/杉浦泰介、写真/©クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)