いよいよファイナル カギ握るセットプレー ~リーグワン~

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「NTTジャパンラグビー リーグワン2022-2023」ディビジョン1の決勝(東京・国立競技場)が20日に行われる。連覇がかかる埼玉パナソニックワイルドナイツ(埼玉WK)と初優勝を狙うクボタスピアーズ船橋・東京ベイ(S船橋・東京ベイ)は19日、試合会場で会見を開き、監督・HCとキャプテンが意気込みを語った。

 

「この1年間積み上げてきたことをベストな結果、集大成として体現したい」(埼玉WKロビー・ディーンズ監督)

「国立に来れてうれしい。自分たちが強くなったことを優勝して見せられればいい」(埼玉WK坂手淳史)

「ここに来れたことがうれしいし、ここに来れるだけのことをやってきた。自信もあります」(S船橋・東京ベイのフラン・ルディケHC)

「ここで勝つためにやってきた。自分たちのやることにフォーカスし、チャンピオンであるワイルドナイツさんにチャレンジしていきたい」(S船橋・東京ベイの立川理道)

 

 今季レギュラーシーズンでは埼玉WKがリーグ最少失点(270)、S船橋・東京ベイが同最多得点(636)、最多トライ(84=1位タイ)を誇る。だからといって単純に攻撃のS船橋・東京ベイ、守備の埼玉WKとは位置付けることはできない。攻撃の多彩さでは埼玉WKが勝るように映る。BK陣は司令塔役の松田力也、山沢拓也、爆発的なスピードを持つWTBマリカ・コロインベテ、CTBディラン・ライリー、ハイボールキャッチも得意なFB野口竜司と個性派揃いだ。S船橋・東京ベイはHOマルコム・マークスなど強力FWを擁し、シンプルに縦を突くのが攻撃パターンだ。愚直に身体を当て続け、空いたスペースをSOフォーリー、SH藤原忍といったハーフ団が狙う。両翼の木田晴斗と根塚洸雅はその仕上げ役と言ったところだ。

 

 勝敗のカギを握るのはプレースキックを含めたセットプレーだろう。1点を争うノックアウトステージ。PG、Gのキックをいかに確実に決め、相手に圧力をかけるべくスクラムとラインアウトを制することが勝敗に直結する。スタメン出場予定のSOは埼玉WKが松田、S船橋・東京ベイがフォーリー。2人がチームのメインキッカーだ。松田は横浜キヤノンイーグルス(横浜E)との準決勝では100%の成功率を誇った。レギュラーシーズンの成功率は85.5%でベストキッカーにも輝いている。フォーリーは準決勝こそ4/6だったが、レギュラーシーズン得点王(173得点)でGとPGの成功数はリーグトップだ。

 

 スクラムは埼玉WK有利か。PR稲垣啓太、HO坂手淳史、PRヴァルアサエリ愛の第一列はそのままジャパンで組んでもおかしくない陣容である。リザーブに入るクレイグ・ミラー、平野翔平の両PR、HO堀江翔太もしかり。その後ろには南アフリカ代表LOルード・デヤハー、No.8ジャック・コーネルセンらがいる。一方のS船橋・東京ベイはスクラムで押し込まれとしても、ラインアウトでは優位に立ちたい。マークスの正確なスローイングを2m5cmの長身LOルアン・ボタらがキャッチし、インゴールに雪崩れ込むのが得点パターン。これを封じられると苦しい。

 

 両チームの対戦は今季第10節。埼玉・熊谷ラグビー場での試合は埼玉WKが30-15で勝利している。互いにキックで得点重ねつつ、埼玉WKが後半に押し切った。S船橋・東京ベイが今季唯一ノートライだったゲームだ。攻守にスキのない埼玉WKだが、今季反則が多いのが気がかりなところ。S船橋・東京ベイの圧力に屈し、反則がかさめば流れを相手に渡しかねない。

 

 S船橋・東京ベイが初優勝を手繰り寄せるには決定力もキーとなる。前回の対戦ではトライチャンスをつくりながら、最後仕留め切れなかった。もし決めきれていれば、という反省がその後の戦いにも学びとなっているはずだ。堅いディフェンスの埼玉WKをこじ開けるのは、かなりの根比べとなるだろうが、気持ちを切らさず愚直に前へ。自分たちのラグビーを80分貫けるか。アイデンティティーが問われる。

 

(文・写真/杉浦泰介)

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