16日、ジャパンがラグビーW杯フランス大会前最後の国内合宿を東京・府中朝日フットボールパークでスタートした。合宿初日はW杯登録メンバー30人中29人に加え、LOヘルウヴェ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)、LOサウマキアマナキ(コベルコ神戸スティーラーズ)、LOワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)、LO/FLアマト・ファカタヴァ(リコーブラックラムズ東京)、FL下川甲嗣(東京サントリーサンゴリアス)、FLピーター・ラブスカフニ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)の6人が参加した。

 

 代表メンバー発表から一夜明け、本番前最後の国内合宿だ。報道陣には練習の一部が公開され、ボールを使ったミニゲームや実戦形式のトレーニングを行った。ミニゲームでは笑顔も見られ、和やかなムードが漂った。大会登録メンバーの残り3枠を争う6人のうち、サウマキ、ヘル、下川、ラブスカフニの4人は練習に参加した。

 

 ワイダースコッド(代表候補)から滑り込んだWTBレメキ ロマノ ラヴァ(NECグリーンロケッツ東葛)は、「ビックリした」と胸の内を語った。GR東葛でリーグワン2022-23シーズン、入れ替え戦を含む全18試合に出場。SOをこなすなどユーティリティー性をアピールした。

「最初はワイダースコッドから。何をやるにしても、100%やらないといけないと思っていた。合宿の最初の測定から、手応えはあった」

 

 W杯は19年日本大会に続くメンバー入りだ。4年前からの成長した点を聞かれると、「今まで何も考えずに好きなようにやっていたけど、ちゃんとメリハリがつけられるようになった。それもたぶん、ラグビーに繋がっている」と答えた。WTB、FBの起用が基本となるだろうが、レメキは「試合に出られるなら(ポジションは)どこでもいい。日本のために活躍したい」と意気込んだ。

 

「うれしいですし、光栄に思う。選ばれたからには自分の仕事をしたい」
 そう代表選出を喜んだのは、CTB長田智希(埼玉パナソニックワイルドナイツ)だ。2022-23シーズンのリーグワンでブレイク。今年6月の代表合宿から呼ばれ、見事W杯メンバーの座を射止めてみせた。

「目指していた場所ではありましたが、正直、(メンバー入りは予想していなかった」

 

 キャップ数ゼロからのスタート。23歳は「僕にとって日本代表として戦う試合がどれも特別」と、この夏の5試合全てに出場してアピールを続けた。「少しはインパクト残せたかな」。初先発となったトンガ戦ではラックで3人を相手に押し勝ち、ターンオーバーに成功した。フィジー戦では自陣からランを仕掛け、あわやトライというところまでボールを運んだ。攻守において存在感を示している。フランスは、長田にとって更なる飛躍の舞台となるか。

 

(文・写真/杉浦泰介)