二宮： 連勝はストップしてしまいましたが、それでもダントツの首位通過でセミファイナル進出が既に決まっています。
位田： はい、これからが一番大事な時期だと思っています。
好守備あってのコンビバレー二宮： 今シーズン、JTマーヴェラスの試合を見ていると、特に攻撃面でのコンビネーションがうまくいっているように感じます。
位田： そうですね、コンビバレーはJTマーヴェラスにとっては欠かすことはできません。それができているからこそ、結果が出ているのだと思います。しかし、そのためには１本目のサーブレシーブやパスが大事になってきます。石原昭久監督には就任した当初からずっと言われ続けてきたことで、徹底的に強化してきました。
二宮： 石原監督は昨夏からJTマーヴェラスの指揮官となったわけですが、監督が考えるチームコンセプトは？
位田： ディフェンシブな考えを持っている方なので、まずは守りからといつも言われています。
二宮： 石原監督はデータを駆使して、緻密な戦略を練るそうですね。
位田： はい、ビデオを使ったりして、細かく指示があります。
二宮： ミーティングでビデオを見ながら「ここに穴があるぞ」とか「ここはもっとフォローが必要だ」というような具体的な指示が出されるのですか？
位田： はい。特に相手の攻撃への守り方の指示が多いですね。ブロックのつき方だったり、レシーブのポジション取りだったり……。攻撃面では個人個人に「ここに打ったら決まりやすい」とか「こんな効果がある」というようなことをアドバイスしてくれます。でも、やっぱりディフェンス面での対策に大きな割合を占めていますね。
二宮： なるほど。監督の指示が明確だと、選手も戦いやすいのでは？
位田： はい、とても助かっています。とは言っても、相手も研究してきますから、実際の試合では言われた通りのことをそのままやるだけでは勝つことはできません。石原監督が示してくれた相手のプレーの傾向を参考にしつつ、その場その場で臨機応変に自分たちで対応していくことが重要です。
二宮： 位田選手自身、今までこうした細かいバレーは経験してこなかった？
位田： なかったですね。ビデオを見たりすることはありましたが、これほど傾向や対策を細かく指示されたことはなかったです。「さすが、違うなぁ」と思いながらいつも聞いています。
ファイナルラウンドに向けて二宮： さて、ここから先が本当の勝負です。ファイナルラウンドを勝ち抜くには、どのようなことが重要になってきますか？
位田： 今、チームはファイナルラウンドに向けて攻撃のスピード化を図っています。同じメンバーでやるわけですから、急にこれまでと全く違う戦術をしくというわけにはいきませんが、レギュラーシーズンと同じことをやっていては勝つことはできませんので。あとはレギュラーも控えメンバーも絶対にケガをしないこと。そういう意味では、練習以外のところでも注意していかなければならないと思っています。
二宮： 優勝したら、何をしたいですか？
位田： ゆっくりと温泉にでも入りたいですね。
二宮： アハハハ。それほどキャプテンという仕事は重労働なんでしょうね。
位田： でも、これからが一番大変だと思っています。
二宮： そうですね。ここからがキャプテンとしての腕の見せどころでしょうね。
位田： 東京体育館で有終の美を飾れるように、チーム一丸となって、頑張りたいと思います。
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位田愛（いんでん・あい）プロフィール＞
1987年４月３日、三重県生まれ。ウイングスパイカー。母親の影響を受け、中学からパレーを始める。津商業高校ではインターハイ、国体、春高バレーに出場。2006年、JTマーヴェラスに入団した。昨シーズン、レギュラーを獲得し、正確なレシーブで守りの要として活躍。プレミアリーグではサーブレシーブ成功率５位に入った。今季より新キャプテンに就任。チームの飛躍を支えている。
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