エチオピアのタケレ、大会連覇! 日本人トップは大迫の12位 ~東京マラソン~

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 1日、愛知・名古屋アジア競技大会の日本代表選考を兼ねたアボット・ワールドマラソンメジャーズシリーズ(WMM)の東京マラソン2026が都庁前から東京駅前の行幸通りまでの42.195kmで行なわれた。男子はタデセ・タケレ(エチオピア)が2時間3分37秒で連覇。2位にジョフリー・トロイティチ(ケニア)がタイム差なし、3位にはアレクサンダー・ムティソ(ケニア)が1秒差で入った。日本人トップは12位の大迫傑(リーニン)で、タイムは2時間5分59秒だった。

 

(写真:ラストのスパート勝負を制したタケレ ©東京マラソン財団)

 女子はブリジット・コスゲイ(ケニア)が2時間14分29秒の大会新で5年ぶりの優勝。日本人トップは現役ラストランとなった細田あい(エディオン)が2時間23分39秒で10位だった。

 

 車いすの部は男女の世界記録保持者が制した。パラリンピック車いすマラソン3連覇中(リオデジャネイロ、東京、パリ)のマルセル・フグ(スイス)が1時間29分9秒で男子の部を2年連続3度目の優勝。パリパラリンピック金メダリストのカテリーヌ・デブルナー(スイス)の1時間37分15秒で連覇した。

 

 近年は海外勢がリードする場面が目立つ国内屈指の高速レースは、波乱の幕開けとなった。序盤から飛び出したのが橋本龍一(プレス工業)だ。元日の第70回全日本実業団対抗駅伝競走大会(ニューイヤー駅伝)で2区を任され、10人抜きの好走を見せた28歳が、ペースメーカーの中村大聖(ヤクルト)と2人でレースをリードする。

 

 第2集団が前回優勝のタケレ、出場ランナー最速タイム(2時間3分11秒)のムティソら海外勢。ペースメーカーが予定よりも遅い入りとなったが、タケレは「グループの中で自重した。遅かったとしても取り戻せると思っていた」と無理はしなかったという。第3集団は現日本記録保持者の大迫、前日本記録保持者の鈴木健吾(横浜市陸協)などが形成した。

 

 10㎞で中村が離脱した後は、橋本の一人旅。10㎞通過のタイム29分2秒は日本記録を上回るペースだった。第2集団と26秒、第3集団と38秒ほどの差がついていた。20km通過は58分18秒。依然として先頭をキープする。

 

 しかし橋本は26.5km地点で第2集団に飲み込まれた。海外勢はそのまま橋本を抜き去る。ペースメーカーが離脱する30km通過でも9人の集団。仕掛ける者は現れず牽制し合ったまま、36km過ぎでムティソ、タケレ、トロイティチら4人に絞られた。「41kmまでは様子を見ていようと、残り200mで飛び出した」とタケレ。最後の直線勝負で他を振り切り、トップでフィニッシュ。直後トロイティチ、ムティソが続いた。

 

 日本人トップは、大迫が12位に入った。終盤、鈴木に先行される場面もあったが粘りを見せた。「2時間5分59秒。記録的には問題ないけど、順位的にはもうちょっと頑張りたかった」とレースを振り返った。2時間4分55秒の日本新記録をマークしたバレンシアマラソンから、3カ月後のレース。「いい経験になった」と話し、「心身をリフレッシュした上で、今度は上位で勝負していきたい」と次を見据えた。

 

 昨年秋に富士通を退社し、プロランナーとなった鈴木は大迫に次ぐ、13位。2時間6分9秒で2028年のロサンゼルスオリンピック代表選考となる27年10月開催のMGC(マラソン・グランド・チャンピオンシップ)出場権を獲得した。「少しホッとしています。これからはファストパスないし、MGCを勝ち切るための勝負マラソンをチョイスしていきたい」。鈴木の言うファストパスとは「MGCファストパス」のこと。MGC前に男子は2時間3分59秒を突破した記録最上位の選手に日本代表内定を与える特別枠である。

 

 日本陸上競技連盟の高岡寿成シニアディレクターは「世界基準の大会。日本選手の現在地が分かるレース」と東京マラソンを位置付ける。「(気温)15度というコンディションでも2時間5、6分を出せたということは、日本マラソン界にとって良かった」と評価しつつも、「まだまだ世界は高い所にあるという印象を改めて受けました」と語った。

 

 今大会で男子は鈴木を含め5人がMGC出場権を獲得した。「この1年で26名。ターゲットの50に近付いている」と高岡シニアディレクター。「26名には来年までの1年でチャレンジしていって欲しい。ファストパス獲得はメダルが見えてくるタイム」とMGCファストパス枠への挑戦を求めた。

 

(文・写真/杉浦泰介、競技写真/©東京マラソン財団)

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