5月19日、東京・ディファ有明で行われた世界ボクシング協会(WBA)ライト級タイトル戦で、ホセ・アルファロ(ニカラグア)を3R2分8秒、TKOで破り王座を奪取した小堀佑介(角海老宝石)が、試合から一夜明けた20日、所属する角海老ボクシングジムで会見を行い、心境を語った。
(写真:チャンピオンベルトを肩にかけ一夜明け会見に臨んだ小堀選手)
 ガッツ石松、畑山隆則に続く、史上3人目の日本人ライト級世界王者となった小堀は、腫れた左目が痛々しかったものの、いつもの朴訥とした語り口で、記者の質問に応じた。
 睡眠が大好きだという小堀だが、昨夜は興奮してか一睡もできなかったという。
 世界王者になった実感は「あまりないですね。ただ試合に勝った感じ」と言いながらも、各スポーツ紙での大きな取り上げられ方には「びっくりしました。びっくりです」と繰り返した。
 世界王者になってやりたいことは? との質問には「何もないです。何もしたくないです」、ファイトマネーの使い道については「何も買うものはない。お金の使い道が分からない」と、相変わらずの“小堀節”だったが、「一番幸せ」という睡眠の質を高めるために「まず、枕を買おうと思います」と笑顔で話した。
 
 初防衛戦の相手は、昨日のセミファイナルに登場した同級1位のポーラス・モーゼス(ナミビア)が有力候補だ。
 対戦したい相手について訊かれると小堀は「組まれた試合をやるだけ」と答えたが、「パッキャオ(現WBCスーパーフェザー級王者・フィリピン)とやってみたい」と語った。
 田中栄民トレーナーも「まずモーゼスを倒して、パッキャオに挑みたい。サボらずにロードワークをもっときっちりやらせたい」と意欲を見せた。

 会見には昨夜に続きドン・キング氏も飛び入りし「日本は素晴らしい国。小堀も本当に素晴らしい。次回はモーゼスを呼んで、10万人規模のお客さんを集めて東京ドームでやりたい」とビッグプランをぶち上げた。
 試合が行われた5月19日は、故・白井義男氏が日本人初の世界チャンピオンになった日本のボクシング界にとって記念すべき日。キング氏は「小堀は白井氏の生まれ変わりのようだ」とも語った。

 今後の予定については「1週間ほど挨拶回りで、2週間くらいは自由にさせてやりたい」と田中トレーナー。しばらく身体を休めた後、世界チャンピオンとしての次戦に向け、再び小堀と田中トレーナーとの二人三脚が始まる。