開幕までは、あと2週間ちょっと。元ヤクルトのラファエル・フェルナンデスを除き、メンバーが揃いましたが、まだ、どのようなチームになるか試合を重ねてみなければ何とも言えません。3月頭から行った今治での強化合宿は気温が低い日が続いたものの、バットの振り込みなど、シーズンに向けたまずまずの練習ができました。
 実戦も何試合がこなし、チーム内の競争も本格化してきました。新人選手で即戦力として使えそうなのはドラフト1位で指名した阿部直晃(神奈川・深沢高−神奈川大−横浜ベイブルース)です。テンポがよく、大崩れしないタイプのため、中継ぎでの起用を考えています。

 野手では外野手の高井悠生(岐阜商高)が18歳ながら、パワーがあり、楽しみな素材です。もちろん、まだまだ改善すべき点はあるものの、まずは試合で経験を積むことが大事。その中で本人が壁にぶつかった際に修正していければと思っています。

 また練習生のセカンド・吉田圭志(秀岳館高−東京国際大(中退))もおもしろい存在です。実戦では攻守で結果を残し、機動力も使えます。まだ二遊間の組み合わせは決まっていませんが、今後のプレーぶり次第では、選手登録、レギュラー獲りの可能性も出てくるでしょう。

 ピッチャーは正田樹小林憲幸の先発2本柱は確定です。しかし、今季は試合日程が詰まるため、3人目、4人目の先発は不可欠。残りの先発ピッチャーは開幕までの実戦で見極めなくてはなりません。

 打線も高田泰輔は安定した数字を残してくれそうですが、他の選手は外国人も含めて未知数です。元東北楽天のラファエル・ポロは明るい性格で、チームによく溶け込んでいます。楽天では日本の環境になじめず苦労したようですが、その経験が生きているのでしょう。ポジションは二遊間のいずれかを競ってもらいます。

 また米国人のジョシュア・ラベンダー、スペイン人のアリッツ・ガルシア・ゴニはファーストかサード。いずれのバッターも大砲タイプではないので、守りと攻撃の兼ね合いで起用法も変わってくるでしょう。どんな打順を組めば、うまくつながるのか、こちらも残り試合で試行錯誤することになります。

 今季は内野手が練習生も含めて11人になるなど、ポジション争いが激しくなっています。外国人も日本人も基本的には横一線。開幕スタメンがどんなラインアップになるかは、これからの実戦で決定します。4月4日の開幕戦、どんな打順になるのか、ファンの皆さんも楽しみにしておいてください。

 昨季同様、守りを重視し、少ないチャンスをモノにして競り勝っていくスタイルができればと思っています。昨季は前期でつまずき、最下位に沈みました。今季はスタートダッシュを成功させて、優勝を目指します。応援よろしくお願いします。


弓岡敬二郎(ゆみおか・けいじろう)プロフィール>:愛媛マンダリンパイレーツ監督
 1958年6月28日、兵庫県出身。東洋大姫路高、新日鐵広畑を経て、81年にドラフト3位で阪急(現オリックス)に入団。1年目からショートのレギュラーとなり、全試合出場を果たすと、84年には初の打率3割を記録してリーグ優勝に貢献。ベストナインとダイヤモンドグラブ賞を獲得する。87年にもゴールデングラブ賞に輝き、91年限りで引退。その後もオリックス一筋で内野守備走塁コーチ、2軍監督、2軍チーフコーチ、スカウトなどを歴任。13年をもって33年間在籍したチームを退団し、愛媛の監督に就任した。現役時代の通算成績は1152試合、807安打、打率.257、37本塁打、273打点、132盗塁、240犠打。

(このコーナーでは四国アイランドリーグplus各球団の監督・コーチが順番にチームの現状、期待の選手などを紹介します)


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