第2回WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)の開幕まで、あと2日。連覇を狙う日本は東京ドームでの第1ラウンドで韓国、台湾、中国と第2ラウンド進出をかけて争う。前回大会でも第1、第2ラウンドと連敗した韓国、若い力で挑む台湾、発展途上の中国――サムライジャパンの前に立ちふさがる各チームの戦力を探ってみた。(Vol.2は台湾編)
(写真:ダルビッシュ&岩隈はアジアの強打者を封じられるか)
 台湾 林益全ら打線は強力

 前回のWBCでは第1ラウンドで対戦し、14−3と大勝。五輪を含めてもプロが参加した日本代表が台湾相手に星を落としたことは1度もない。とはいえ、昨年の北京五輪、一昨年の五輪予選と先制を許し、途中までは苦戦を強いられた。今回、勝ち上がりの状況によっては対戦がない可能性もあるが、一筋縄ではいかない相手であることは確かだろう。

 ただ、戦力的には日韓に次ぐ3番手との感は否めない。ヤンキースで活躍する台湾の星・王建民、ドジャースに在籍する郭泓志のメジャー組が出場を見合わせ、アマチュア選手をメンバーに加えざるをえなかった。また日本で活躍する中日のチェンも不在だ。主砲を張った陳金鋒も代表を外れた。

 投手陣では李振昌(インディアンス傘下)がエース格。先発した巨人との強化試合では制球が定まらず、2失点したが球に力がある。タイガースのマイナーチームに所属する倪福徳は左のサイドスローで対左打者には効果的だ。しかし、強化試合の内容を見る限り、その後に続く投手が苦しい。西武戦に登板した先発候補の林岳平は3回5失点、陳鴻文が1回3分の1を4失点といずれも不安を残した。2試合で16四死球と全体的にコントロールに難がある。クローザー役と目される羅嘉仁も完璧に相手を抑え込む印象はない。

 一方で打線は活発だ。強化試合2試合で1本塁打を含む9打数6安打を打ちまくった林益全を筆頭に、昨季の台湾リーグ史上最高打率(.391)を残した彭政閔、阪神の林威助が中軸に座る。西武・帆足和幸から特大の一発を放った蒋智賢など、要警戒のバッターは多い。強化試合では西武相手に14安打で2得点とちぐはぐな攻撃も目立ったが、打線がつながれば大量得点できる力はある。

 今大会は台湾リーグ内でも足並みがそろわず、若手中心のメンバー選考をせざるを得なかった。まずは初戦であたる打倒韓国に全力を尽くす構えのため、もし勝ち上がっても日本を封じ込める投手陣が残っているか未知数だが、若さならでは勢いは武器になる。走攻守とも荒さがあるだけに、日本としては積極的に弱点を突き、主導権を握りたい。