シアトル・マリナーズのイチローは日本時間17日、ホームのロサンゼルス・エンゼルス戦の第2打席にライト前ヒットを放ち、日米通算安打を3086本と伸ばして張本勲氏(元東映など)が持つ日本プロ野球記録(3085本)を上回った。ヒットを打ったイチローが1塁に到達すると、電光掲示板には記録達成を告げる文字が躍り、観客がスタンディング・オベーションで偉業をたたえた。
「きれいなヒットで決めてもらいたい」
 レコードホルダーの張本氏が希望していた通りのクリーンヒットだった。記録に並んだ翌日、日本が誇る世界の安打製造機は休むことなく、新たなヒットを生み出した。

 この日も「1番・ライト」でスタメン出場したイチローの第1打席はショートゴロ。フルカウントからストレートを流し打ったが、内野の網に引っかかった。

 しかし、4回の第2打席、2ボールから内角に甘く入ったストレートを鋭く振りぬく。打球は1、2塁間の真ん中を測ったように破っていった。打った主役はスピードを緩めながら、颯爽と一塁ベースへ。スタンド全体から送られた拍手にヘルメットを取って応えた。

 第3打席以降の結果はショートゴロとレフトフライ。マリナーズはエンゼルスの先発左腕ジョー・ソーンダースに7回まで1点に封じられ、1−5で敗れた。連勝は6でストップし、イチローにとっては喜びも半分の一日だった。

<またもWBC組……城島、DL入り >

 マリナーズの城島健司が現地時間16日付で、15日間の故障者リスト(DL)に入ることが決まった。右太ももの肉離れによるもの。前日の試合でヒットを放った際に故障を訴え、代走を送られてベンチに退いていた。本人によると、WBCの宮崎合宿から違和感があったという。症状は軽く、5月初旬の復帰を目指す。これでイチロー、松坂大輔、城島とWBCに参加した日本人メジャーリーガーが開幕から2週間で3人もDLに入った。激闘の代償なのかもしれないが、所属球団にとっては主力の痛い戦線離脱。4年後の大会では参加に難色を示すメジャー球団がさらに現れそうだ。