新しい所属先がようやく決まりました。横浜FC香港。香港のサッカーリーグで1部に所属するクラブです。

 オファーがあったのは15日から再開していた指導者ライセンス講習の期間中。強化担当者から電話で「力になってほしい」とありがたい言葉をいただきました。たまたま一昨年のアウェーでの横浜FC戦を香港のクラブの方が観戦しており、その時のプレーを覚えてもらっていたようです。

 その話を聞いて人間、どこで何がつながるか、分からないものだなと改めて感じました。だからこそ、一瞬一瞬をおろそかにせず、全力で取り組むことが大事なのでしょう。

 講習がゲーム形式も取り入れた、よりハードな内容になる中、移籍に向けた動きも急ピッチに進み、ここ数日は、まさに激動の日々でした。しかし、この忙しさも新しいステップへ踏み出すためのもの。実はその前に打診を受けていたシンガポールのクラブとの交渉は進展しなかっただけに、僕を必要としているところが見つかり、一安心しています。

 名称の通り、横浜FCが運営しているクラブのため、スタッフには日本人もいます。その点は心強い限りです。ただし、ホッとするのはここまで。ここからは一瞬一瞬に勝負を賭ける日々がスタートします。

 今回の移籍により、海外でプレーするのは5カ国・地域目ですが、外国人が生き残る道は結果を出すことしかありません。とにかくゴールを決める。そして監督、コーチやチームメイト、サポーターに認められる。それが第一のハードルとなります。

 正直、香港のリーグがどんなスタイルで、どのくらいのレベルなのか、まだ全く知りません。中国語も分かりませんから、サッカーも含めた未知なる挑戦となるはずです。

 でも、どこに行こうとサッカーは共通です。ルールもボールも同じですし、やるべきことは変わりません。愛媛で溜まりに溜まったマグマを、香港で爆発させる。強い意気込みで現地に向かおうと思っています。

 住む家はクラブ側に用意してもらい、条件面も決して悪くありません。最初は単身で乗り込みますが、早く現地の生活にも慣れて活躍し、家族を呼べるような状況になればうれしいです。

 コミュニケーションをとるのは、当面は英語になるでしょう。英語はギリシャ時代に使っており、その時に少し勉強しました。今後を見据えて英語はいつか習得したいと思っていただけに、語学力もレベルアップできればと考えています。

 ここ2年はなかなか試合にも出られず、このコーナーでいい報告ができませんでした。今後は香港から、たくさん話題を届けられるよう、精一杯頑張ります。

 愛媛を去ることが決まってから、多くの方から励ましの声や温かい言葉をいただきました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。「ありがとう」の思いを力に変え、ゴールでお返しします。

 今年もプロ選手としてサッカーを続けられることは本当にうれしいです。香港でさらに成長する福田健二に期待していてください。引き続き、よろしくお願いします。

(この連載は毎月第2、4木曜更新です)
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