ラグビー・トップリーグの年間表彰式が２日、都内で行われ、MVPには優勝した東芝ブレイブルーパスの大野均が選ばれた。歴代２位となる191点をあげた三洋電機ワイルドナイツの田邉淳が得点王に輝き、キックによる得点が最も多かったベストキッカー（117得点）と同時にダブル受賞を果たした。最多トライゲッターにはサントリーサンゴリアスの小野澤宏時、新人王には同じくサントリーの眞壁伸弥が輝いた。
（写真：MVP受賞の大野（前列）、得点王の田邉（後列左）と新人王の眞壁） ７年目を迎えたラグビー・トップリーグは昨日のプレーオフ決勝で東芝が三洋電機とのノートライの接戦を制し、２連覇を達成して幕を閉じた。その熱気も冷めやらぬ中、年間表彰式には今季活躍をみせたラガーマンたちが一同に集結した。
日本ラグビー界にとって、2009年は記念すべき一年になった。７月には2019年ラグビーワールドカップの開催が決定しただけでなく、2016年リオデジャネイロ大会から７人制ラグビーが正式種目として92年ぶりに五輪の舞台に復活することが決まった。ラグビー界にとって大きな節目となった09−10シーズントップリーグも全14チームが熱戦を繰り広げてきた。
レギュラーシーズンを３位で終了しながら、プレーオフではサントリー、三洋電機という上位チームを撃破し２年連続５回目のトップリーグ優勝を決めた東芝の瀬川智弘監督は「決勝戦では私自身も息つくヒマもなく、目まぐるしい試合になったと思います。熱いゲームができたのも、13試合戦いぬいたライバルの存在があったからこそ。毎回全力で戦うことでチームが成長して優勝という形でシーズンを終えることができました」と優勝カップを抱きながら答えた。
また廣瀬俊朗キャプテンは「今年は健やかな気持ちで、ここでスピーチできることが嬉しいです。瀬川さんとこのステージに一緒に上がることができて本当によかったと心から思っています」と満面の笑みで語った。昨年は不祥事で笑顔のない受賞スピーチだっただけに、喜びもひとしおだ。さらに「プレーオフで（チームの）皮が剥けたのはサントリーさんのおかげだし、決勝で素晴らしい試合ができたのは三洋電機さんのおかげ。この２チームには敬意を表したい」と激戦を戦ったライバルチームの健闘を称えた。
（写真：笑顔でスピーチに臨んだ廣瀬） リーグ得点王を獲得したのは、ベストキッカーと同時受賞した田邉だった。主将としてもリーグ１位となった三洋電機をシーズン通して引っ張った。昨日の決勝では無得点に抑えられ、悔しい想いをしたばかり。「三洋電機は今年で創部50周年を迎えましたが、優勝したことがたったの１度もありません。（得点王となった）191点は帳消しにされてもいいので、昨日７点が欲しかったです」と決勝で無得点に終わった悔しさをユーモア溢れる言葉で表現し会場を沸かせていた。「日本選手権があるので、またがんばりたい」とシーズン無敗ながら優勝を逃がしたリベンジを誓った。
リーグMVPは優勝したチームを支え続けた大野が初めて受賞した。「まさか自分が選ばれるとは思っていなかったので、昨日のお酒が一気に抜けてしまいました」と祝杯をあげた直後の受賞に驚きを隠さなかった。「この賞をもらえたのもチームメイトのおかげ。この賞をいただいた責任を噛みしめて、来シーズンも戦っていきたい」と受賞の喜びを口にした。
受賞したチーム、選手は以下の通り。
・優勝
東芝ブレイブルーパス ２年連続５回目
・準優勝
三洋電機ワイルドナイツ ３年連続３回目
・３位
サントリーサンゴリアス
トヨタ自動車ヴェルブリッツ
・フェアプレーチーム賞
コカ・コーラウエストレッドスパークス 初
・ベストファンサービス賞
神戸製鋼コベルコスティーラーズ ６年連続６回目
・リーグ戦MVP
大野均（東芝） 初
・新人賞
眞壁伸弥（サントリー）
・最多トライゲッター
小野澤宏時（サントリー） 初
・得点王
田邉淳（三洋電機） 初
・ベストキッカー
田邉淳（三洋電機） 初
・ベストホイッスル
相田真治 ２年ぶり３回目
・ベストフィフティーン
PR1 川俣直樹（三洋電機） 初
HO 堀江翔太（三洋電機） 初
FR3 畠山健介（サントリー） ２年連続２回目
LO 大野均（東芝） ４年連続５回目
LO 眞壁伸弥（サントリー） 初
FL スティーブン・ベイツ（東芝） ２年連続２回目
FL 劉永男（三洋電機） 初
No.8 菊谷崇（トヨタ自動車） 初
SH ジョージ・グレーガン（サントリー） 初
SO デイビッド・ヒル（東芝） ２年連続２回目
WTB 北川智規（三洋電機） ４年連続４回目
WTB 小野澤宏時（サントリー） ５年連続６回目
CTB ライアン・ニコラス（サントリー） ２年連続３回目
CTB 霜村誠一（三洋電機） ３年連続３回目
FB 田邉淳（三洋電機） ２年ぶり２回目