新聞報道によれば、FA宣言したカープ大竹寛の本命は巨人のようだ。たとえばスポーツニッポン(11月20日付)は、こんな具合。【既にソフトバンク、楽天と交渉した大竹だが、埼玉県出身で在京球団への希望が強いとされるだけに、巨人と相思相愛ともいわれる】

 FA権を行使して巨人に移籍したカープOBは2人いる。川口和久(94年オフ)と江藤智(99年オフ)だ。FAで大竹が巨人入りすれば、3人目ということになる。

 もし大竹が巨人に移籍した場合、10勝カルテット(前田健太、ブライアン・バリントン、野村祐輔、大竹)の一角が崩れるわけで、カープにとっては大ダメージだ。

 しかし、FA権の行使は個人の権利ゆえ、こればっかりは、どうしようもない。むしろ伸び悩んでいる先発ピッチャーは、チャンスが巡ってきたと前向きにとらえるべきだろう。

 今季、1勝もできなかった福井優也と篠田純平あたりは「ラストチャンス」というくらいの危機感を持ってもらいたい。

 それでなくても、大瀬良大地、九里亜蓮という大学球界を代表する本格派が入ることにより、既にして尻に火が付いている状況なのだ。「今やらずに、いつやるの!?」というくらいの気構えを示して欲しい。

 災い転じて福となす――という言葉があるが、来季のカープもそうあって欲しい。

(このコーナーは二宮清純が第1、3週木曜、書籍編集者・上田哲之さんは第2週木曜を担当します)
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