カープにとって9月は、文字通り“苦月“だった。一昨年は6勝16敗1分け。昨年は6勝17敗1分け。大きく負け越してCS出場を逃した。

 それが今年はどうだろう。9月11日現在、5勝3敗。2つの貯金を作っている。

 3位のカープ以下は、借金生活。低レベルの3位争いとはいえ、鼻の先にニンジンがぶら下がっている状況が、選手のモチベーションを上げる。

 以前にも書いたように、個人的には勝率5割を切ったチームがCSに出場するのは問題があると考えている。借金を抱えながら、ポストシーズンを勝ち上がれば、日本一にだってなれるのだ。

 負け越しチームの日本一。こんなことが起きれば、長丁場のペナントレースは何だったのかということになってしまう。消化試合を減らすため、CS制度には賛成だが、中身については改善の余地大ありだろう。

 話をカープに戻そう。九月の善戦は、来季以降のカープにとって大きな財産になるはずだ。緊張感を維持したまま、144試合を戦い抜いて欲しい。いや、好むと好まざるとにかかわらず、そういう状況だ。タイトな戦いを経験することで、チームも選手も間違いなくタフになる。

(このコーナーは書籍編集者・上田哲之さんと交代で毎週木曜に更新します)
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