8月28日現在、カープは3位。4位・中日に2.5ゲームをつけている。9の借金を背負いながらもCS 出場への視界は良好だ。

 しかし、カープファンの反応はきわめて冷静だ。私の周囲は2つに大別される。

 まずは肯定派。「これがCSの恩恵。今まで1回も出ていないんだから、素直に喜べばいいんじゃない。ただ、これでセ・リーグの代表として日本シリーズに出場するようなことにでもなれば、“ペナントレースは何だったのか!?”と、なりかねないな」

 続いて否定派。「首位・巨人には全く歯が立たず、優勝争いは1度もできなかった。借金も返済できていない。これでCSに出れば、野村謙二郎監督のヘボ采配が免罪されかねない。4年連続借金生活で続投なんて悪夢だよ」

 とはいうものの、不満を抱きながらもCS進出が決まれば、身を乗り出して応援するのがカープファンの宿痾。今さら優勝争いなど望むべくもないが、せめて借金をチャラにしてから晴れの舞台に立ちたい。そのチャンスは、まだ十二分にある。

(このコーナーは書籍編集者・上田哲之さんと交代で毎週木曜に更新します)
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