3年前の春に右肩を痛めた大竹寛は、今でも痛みを感じながらマウンドに立っている。特に投げ始めはズキッとした痛みに襲われることが少なくないという。

 故障するまで大竹はスライダーを決め球にしていた。しかし最近はカーブやチェンジアップもまじえ、複合的にピッチングを組み立てている。

 大竹によれば「肩の調子が悪い日、一番しんどいのがスライダー」。巻き込むように投げることで肩に負担がかかるのだという。

 その一方で「カーブやストレートは負担がかからない」という。どういうことか? 「真っすぐは放り投げちゃえばいいんです。カーブは緩いボールだから肩に負担がかかることはないですね」

 ではチェンジアップやシュートは? 「これも大丈夫です。チェンジアップは抜くボールだし、シュートの投げ方は基本的に真っすぐと一緒。特に肩に影響することはありません」

 要するに大竹の肩のコンディションを見極めようと思えば、球数に占めるスライダーの割合や、キレに注目すればいいということだ。これならファンにもわかりやすい。

(このコーナーは書籍編集者・上田哲之さんと交代で毎週木曜に更新します)
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