プロ野球の順位予想を依頼される季節となってきた。セ・リーグについて言えば、WBC日本代表に7人の選手を送り込み、“疲労残り”が不安視されるものの、巨人の優位は動かないだろう。

 昨季も3月、4月は9勝13敗2分けと出遅れながら、終わってみれば、中日に10.5ゲーム差をつける圧勝だった。若い選手も育っており、戦力的に太刀打ちできるチームはないと見る。

 しかし2位以下は見通せない。ここ11年間Bクラスなしの中日は、絶対的なクローザーである岩瀬仁紀に衰えがみられる。セットアッパーの浅尾拓也も右肩関節腱板損傷でWBCの日本代表メンバーに残れなかった。

 中日の最大の強みは安定した投手力だが、それもブルペンの支えがあってこそ。岩瀬、浅尾が万全でない場合、先発陣にシワ寄せがくる。守りの要である捕手の谷繁元信も42歳となり、あと31本に迫る2000本安打を達成してからもモチベーションを維持できるかどうか。今季の中日には例年になく不安材料が多い。

 阪神はメジャーリーグ組が額面どおりの成績を残すかどうかで順位もかわってくる。キャッチャーが安定しないのも難点。ヤクルトはウラディミール・バレンティン、ラスティングス・ミレッジ、トニー・バーネットの助っ人トリオが複数年契約をかわしたことで「今年はさして働かないのでは」と見る関係者も少なくない。

 消去法でカープが上位に食い込む可能性は十二分にあると思う。最大の問題は指揮官の采配リスクか……。

(このコーナーは書籍編集者・上田哲之さんと交代で毎週木曜に更新します)
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