広島の新外国人フレッド・ルイスの評判がいい。オープン戦や紅白戦でもコンスタントにヒットを放っている。

 メジャーリーグのキャリアハイは2008年のシーズン。ジャイアンツの外野手として133試合に出場し、打率2割8分2厘、9本塁打、40打点の記録を残している。

 その後、ブルージェイズ、レッズ、メッツを経てカープに入団した。10年以降は毎年のように移籍を繰り返す選手、いわゆるジャーニーマンだった。

 カープには現在、ニック・スタビノア、ブラッド・エルドレッドと2人の大砲がいるが、ともに右打ちで好不調の波が激しい。そこへ行くとルイスは左打ちで足も速いため、計算が立ちやすい。チーム事情を考えれば1番か3番が適任だろう。

 誰よりもルイスのバッティングを絶賛していたのがOBの達川光男だ。私の顔を見るなり「ルイスはいいよ」と言った。「タイプ的には巨人にいたウォーレン・クロマティに近い。バットコントロールがよく、どんなボールにもついていく。クロマティは、やや前かがみの姿勢だったけど、それをもうちょっとアップライトにした感じかな」

 ちなみにクロマティは実働7年で、通算打率3割2分1厘。89年には3割7分8厘という歴代6位の高打率で首位打者にも輝き、チームの日本一に貢献した。ルイスがクロマティ級の活躍を見せれば、18年ぶりのAクラスも視野に入ってくる。

(このコーナーは書籍編集者・上田哲之さんと交代で毎週木曜に更新します)
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