2月17日の日本代表(侍ジャパン)vs.広島カープ戦を見るかぎり、どうやら少なくとも日本代表よりはカープのほうが強いようだ(笑)。なにしろ、7-0の圧勝である。
とまあ、冗談のひとつも言いたくなるほど、希望のある試合だった。
まず、新外国人選手のフレッド・ルイス。3番ライトで先発し、いきなり第一打席でヒット。私は第二打席に注目したい。投手は、この日、両軍から出てきた投手で、ただひとり抜群に調子のよかった能見篤史(阪神)である。
なにしろ変化球はキレるし、コントロールもいい。すべてが低めにいく。ところが、ルイスはその低めのボールを、あわせ、センター前に抜けようかという強いゴロを放ったのである。
ショート坂本勇人のファインプレーでアウトになったが、この試合の能見の低めをしっかりとらえたことは、評価していい。
もしかして、3割近く打てるのではないだろうか。あまりホームランを量産するタイプには見えなかったが、彼が3番ライトで3割打てば、打線は大きく変わる。
希望はもう一つある。2番に入った菊池涼介である。まず、守備がいい。ショートで先発して、途中からセカンドに回ったが、この人独特のスピード感があって、しかも安定している。
投手が山井大介(中日)のときの打席では、2死3塁の場面で、インハイにえぐってくるシュートをセンター前に運んだ。
きびしいシュートだったので詰まるはずだが、やや詰まり気味にしろ、きっちりバットの芯でとらえて打ち返していた。このバッティングも評価できる。菊池はおそらく、去年から大きく成長したのだ。
新外国人選手については、キャンプ、オープン戦と開幕後が別人となってしまうことがままある。そんな選手をたくさん見てきた。だから、断言はしにくい。でも、あえて断言をしておこう。ルイスと菊池は、今年のカープ打線を支える存在になりうる、と。
2長打(うち1本は内海哲也からの3ランホームラン)の鈴木将光もいるではないか、とつっこまれそうだ。鈴木もたしかによく打った。希望がもてる。ただ、個人的な判断としては、ルイス、菊池の大化けの可能性に期待したい。
今年こそ打てる打線になって、打倒巨人じゃ、と景気よくいきたいところだが、この試合で先発した前田健太の状態は悪かった。くれぐれも、WBCで無理しないでほしい。切に祈る。
(このコーナーは二宮清純と交代で毎週木曜に更新します)
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