29日、ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(JPBL)は来年10月にスタートする新リーグの参加チームの階層分けを発表した。7月に決まっていた20クラブに加え、残りの25クラブが1〜3部に振り分けられた。新たに1部6クラブ(レバンガ北海道、日立サンロッカーズ東京、横浜ビー・コルセアーズ、新潟アルビレックスBB、富山グラウジーズ、滋賀レイクスターズ)、2部13クラブ(岩手ビッグブルズ、パスラボ山形ワイヴァンズ、サイバーダイつくばロボッツ、群馬クレインサンダーズ、東京エクセレンス、アースフレンズ東京Z、信州ブレイブウォリアーズ、西宮ストークス、広島ドラゴンフライズ、島根スサノオマジック)、3部6クラブ(埼玉ブロンコス、東京海上日動ビッグブルー、東京サンレーヴス、東京八王子トレインズ、金沢武士団、ライジング福岡)が決定。これにより全45クラブのすべての振り分けが完了した。また併せて1、2部は東・中・西の3地区制導入することを明らかにした。
(写真:1部入りの最後に読み上げられたのは富山。JPBL川淵チェアマンは「日本海側のクラブが、日本でもトップクラブを持てるというところを示して欲しい」と期待を寄せる)
 日本バスケ界改革の柱・男子の新リーグ。来秋のスタートへ向け、また一歩動き出した。

 冒頭の挨拶でJPBL川淵三郎チェアマンは「各クラブは、何とか1部に入りたいという強い思いで、行政サイドを交えて相当な活動がありました。新リーグ開設にあたって懸命に努力して下さったことに、心から感謝と御礼を申し上げたいと思います。最後の1カ月で大逆転をしたクラブもありました。1部に入るためだけのエネルギーだけでなく、これから先も継続しながら、魅力的なクラブづくりに邁進してほしいと思っております」と語った。

 参加を表明し、審査を通過した45クラブが1部から3部に振り分けられ、1部は全体の4割にあたる18クラブとなった。既に決定済みの仙台89ers、秋田ノーザンハピネッツ、リンク栃木ブレックス、千葉ジェッツ、トヨタ自動車アルバルク東京、東芝ブレイブサンダース神奈川、浜松・東三河フェニックス、アイシンシーホース三河、三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋、京都ハンナリーズ、大阪エヴェッサ、琉球ゴールデンキングスに加え、この日の会見では北海道、日立東京、横浜、新潟、滋賀6クラブの1部入りを発表した。財力や行政の支援、ホームアリーナなどの基準を数値化し、各クラブを比較し、判断したという。NBLから8クラブ、bjリーグからは10クラブが選ばれたかたちとなった。

「FIBA(国際バスケットボール連盟)からは初めに、日本のバスケの現状からすれば、大体14クラブくらいが一番いいという話がありました。14プラスマイナス2、12から16の間でトップリーグを作ってほしいと言われたんです」と川淵チェアマン。審査までの間、「各クラブ1部に参入したいというハードルを越える努力が、かなり強力に行われた」ことを受け、1部は18クラブになったという。クラブ数については「確かに多いと思いますが、選手は実戦経験を積んで伸びていく。Jリーグも当初は10クラブが多いと言われました。でも今は(J1が)18あり、2部から代表に選ばれる選手もいる」と正当性を主張した。

 日本バスケ界の改革の旗頭となった川淵チェアマンには、代表の強化というミッションも残されている。
「今までは日本代表選手が育ちにくい環境だったと思います。極端に言えばbjリーグには給料の問題があって、代表クラスの選手がほとんど行かない。その反面、NBLには代表クラスの選手がいても、レギュラーとして活躍できない。サブで1年を過ごすことで、(成長の)機会を損失しているわけです。そういった選手が試合に出ることで、伸びしろが出てくる可能性は十分にある。私としてはそこに期待しています」

 18クラブが1部に入った一方で、残りの27クラブは1部から漏れるということでもある。川淵チェアマンは「残念ながら今回1部に入れなかったクラブに関しては、非常に心が痛む。ただ今の情熱を持ち続けていただいて、ともかく地域に根差す、魅力あるチーム、みんなに愛されるクラブとして成長して、早く1部に上がってきてほしいと思います。各クラブの今持っているエネルギーをどう継続していくか。それがこれからの各クラブの成長に関わっていきますし、新しいバスケットボールリーグの発展にもつながる」と27クラブにエールを送り、「(1部の)クラブ数を増やすこともあり得る」と将来的な拡大路線について、否定はしなかった。

 奇しくも、女子代表のFIBAアジア選手権(中国・武漢)の初戦が行われる日だった。走り始めた日本バスケ界。ハヤブサジャパンとともに、飛躍を目指す。

 新リーグの振り分けは次の通り。

【1部(18クラブ)】
・東地区(レバンガ北海道、仙台89ers、秋田ノーザンハピネッツ、リンク栃木ブレックス、千葉ジェッツ、トヨタ自動車アルバルク東京)
・中地区(日立サンロッカーズ東京、東芝ブレイブサンダース神奈川、横浜ビー・コルセアーズ、新潟アルビレックスBB、富山グラウジーズ、浜松・東三河フェニックス)
・西地区(アイシンシーホース三河、三菱電機ダイヤモンドドルフィンズ名古屋、滋賀レイクスターズ、京都ハンナリーズ、大阪エヴェッサ、琉球ゴールデンキングス)

【2部(18クラブ)】
・東地区(青森ワッツ、岩手ビッグブルズ、パスラボ山形ワイヴァンズ、福島ファイヤーボンズ、サイバーダイつくばロボッツ、群馬クレインサンダーズ)
・中地区(東京エクセレンス、アースフレンズ東京Z、信州ブレイブウォリアーズ、豊田通商ファイティングイーグルス名古屋、西宮ストークス、バンビシャス奈良)
・西地区(島根スサノオマジック、広島ドラゴンフライズ、高松ファイブアローズ、大分・愛媛ヒートデビルズ、熊本ヴォルターズ、レノヴァ鹿児島)

【3部(9クラブ)】
・埼玉ブロンコス、大塚商会アルファーズ、東京海上日動ビッグブルー、東京サンレーヴス、東京八王子トレインズ、金沢武士団、アイシン・エイダブリュア レイオンズ安城、豊田合成スコーピオンズ、ライジング福岡

(文・写真/杉浦泰介)