10日、「FIVB(国際バレーボール連盟)バレーボールワールドカップ(W杯)2007」第3ラウンド第2戦が札幌・きたえーるなどで行なわれた。ヨーロッパの強豪・ポーランドと対戦した日本はフルセットの激闘の末に3−2で勝ち、5勝目を挙げた。
(写真:最後まで高い集中力を見せた高橋)

日本 3−2 ポーランド
(19−25、25−23、18−25、25―22、15−12)
 今夏のワールドグランプリではポーランドの高いブロックに苦戦を強いられ、敗北を喫した日本。そのポーランドの高い壁が第1セットから日本の前に立ちはだかった。エース栗原恵のバックアタック、木村沙織、高橋みゆきのサイド攻撃などがことごとくポーランドのブロックにかかり、なかなか決めさせてもらえない。

 その苦しい状況を打開したのが杉山祥子だった。ぽっかり空いたブロッカーの後ろのスペースにブロードを次々と決めていく。さらにはその杉山をおとりにした一人時間差を高橋みゆきが決めていった。その後、得意のストレートを決めるなど、高橋は高いパフォーマンスを見せた。
 しかし、栗原がポーランドの厳しいマークにあい、スパイク決定率はわずか14%にとどまった。エースの不調に日本は波に乗り切れず、ポーランドに先取された。

 第2セットは木村の活躍で日本が主導権を握った。エースのマウゴジャータ・グリンカの強烈なスパイクを一枚ブロックで完璧に止めた木村は、続いて杉山をおとりにした一人時間差を決め、一人で3ポイント奪取。チームも5連続ポイントで6−1と5ポイント差をつけた。

 逆にポーランドはサーブやスパイクの精彩を欠き、自らのミスで波に乗り切れずにいた。それでも終盤には栗原、木村のスパイクをブロックで止めるなど、高さを生かした守備で食らいつき、23−22とその差1点と迫った。ところが、ここでポーランドは痛恨のサービスミス。日本がセットポイントを迎えた。グリンカに1本決められるも、最後は高橋のスパイクが決まり、これでセットカウント1−1とした。

 第3セットを18−25で落とした日本は、第4セットに臨む。このセットでも若い木村がチームを盛り上げた。高橋がサーブをミスすると、続いて杉山のスパイクがブロックされる。ここで木村がバックアタックなどで5連続ポイントを決め、流れはじめていた悪いムードを払拭した。

 しかし、ポーランドも粘りを見せる。カタジナ・スコブロニスカのサーブで日本のレシーブが乱れ、4連続ポイントを奪い、23−22とまたも1点差に迫った。だが、頼りになる両エースが日本を救った。高橋、栗原が連続でスパイクを決め、日本は苦しみながらも第4セットを奪った。

 第5セットは一進一退の攻防となった。しかし、勝利への執念が勝ったのは日本だった。荒木、杉山が速攻を決めると、負けじとサイドの木村、高橋もスパイクを決めていく。この大会12チーム一、スパイクを放ち、疲労の色を見せ始めた栗原を他選手がカバーしたかたちで、ポイントを重ねていった。
 そして最後に決めたのはやはり高橋だった。冷静にワンタッチを狙い、ポーランドの高い壁に当たったボールがコート外に落ちた。その瞬間、長い戦いの幕が下ろされ、ようやく日本の勝利が決まった。

 4年前のW杯と同じく、フルセットの末に激戦を制した日本は通算成績を5勝2敗とし、5位をキープした。明日はケニアと対戦する日本。札幌ラウンド3連勝で、最終ラウンドに挑みたい。