4日、日本シリーズ第5戦が行われ、千葉ロッテが中日を10−4と圧倒し、対戦成績を3勝2敗として5年ぶりの日本一に王手をかけた。ロッテは初回に1点を先行されたが、直後に5連打で4点を奪って逆転。その後も計15安打の猛攻で2ケタ得点をあげ、快勝した。

◇第5戦
 不振のサブロー、お目覚め3安打(ロッテ3勝2敗、千葉マリン)
中日       4 = 100001020
千葉ロッテ   10 = 40023010×
勝利投手 ペン(1勝0敗)
敗戦投手 中田賢(0勝1敗)
本塁打  (中)ブランコ2号2ラン
       (ロ)サブロー1号2ラン
 ロッテ打線が先発全員安打。不調の打者にも当たりが出て、史上初のレギュラーシーズン3位からの日本一に王手をかけた。

 先発はロッテがヘイデン・ペン、中日が中田賢一だった。ペンはレギュラーシーズン、クライマックスシリーズを通じてわずか1勝。打線の援護が不可欠なゲームだった。

 しかし、先制したのは中日だ。初回、立ち上がりを攻め、四球と2塁打で1死2、3塁の好機をつくる。ここで4番・和田一浩がレフトへの犠牲フライを放ち、1点を先行した。

 ところが、その裏、ロッテが集中打をみせる。まず先頭・西岡剛のセカンドゴロを、この日不振の井端弘和に代わってスタメンに起用された堂上直倫がはじき、出塁を許す。1死後、好調の井口資仁がヒットでつなくと、4番・サブローがショートへの内野安打。1死満塁のチャンスを迎える。

 ここで打席に入ったのは4戦までの打率が5割を超える今江敏晃だ。初球のストレートを引っ張ると打球はレフトへ。2者が生還して、逆転に成功した。続く福浦和也はフォークをとらえ、ライトへタイムリー。金泰均はスライダーをセンターにはじき返し、またもタイムリー。この回、ロッテは5連打で4点を奪った。

 ロッテにとって大きいのは打率1割台のサブロー、2割ちょうどの金泰均がいずれも猛打賞の活躍をみせたことだ。サブローは4回、2死2塁の場面でレフトへの2ラン。貴重な中押し点で相手の反撃意欲をそいだ。一方の金泰均も全方向に打ち分けて4打数4安打。5回、7回のヒットはいずれも得点につながった。

 対する中日は中田が5回9失点と大きく崩れた。本来なら序盤で交代してもいい内容だったが、あえて引っ張ったのはナゴヤドームでの勝負を見据えた采配にもみえた。ただ、井端を外し、前日に決勝打を放った大島洋平を2番に据えた打線は、ペンをとらえ切れなかった。

 もう後がない状況だが、本拠地での残り2試合は吉見一起、チェンと2枚看板をつぎこめる。対するロッテはエースの成瀬善久、サブマリンの渡辺俊介を先発に立てるのが濃厚だ。お互いに好投手で勝負をかけ、最後に笑うのはどちらのチームか。シリーズはいよいよ佳境に入った。