◇5月4日 フクダ電子アリーナ 11,834人
 ジェフユナイテッド千葉 2−1 愛媛FC
[千葉] 伊藤大介(27分)、深井正樹(90分)
[愛媛] 関根永悟(47分)
「ファイティングスピリッツにあふれるいい内容だった」
 試合後の記者会見、バルバリッチ監督がゲームについて触れた発言はそれだけだった。その後はレフェリングに関する不満が爆発した。
「不必要なカードが2枚出た。こちらがボールを出していないのに、相手のスローイングになったり、フィジカルコンタクトはこちらがファウルをとられ、相手はとられなかった」

 試合途中から何度もレフェリーに対して大声をあげて抗議していた。試合終了後はピッチに入って審判団に詰め寄ろうとし、選手、スタッフに抑えられるほどだった。直接、間接含め愛媛が相手に与えたFKは25個。個人の能力で上回る千葉を止めるには、激しいプレッシングでボールを奪うしかない。ましてや前節はギラヴァンツ北九州に0−3と完敗している。必然的にファウルが増えた。それがレフェリーの心証を損ねた部分もあるだろう。

 この日の主審は通算11試合目と経験が浅く、副審にはW杯をさばいた実績もある審判が入っていた。愛媛はDF前野貴徳が2枚のイエローカードをもらって退場になったほか、計5回の警告を受けた。レフェリーの判定は絶対とはいえ、指揮官の言うように中には首をかしげたくなるものもあった。「審判が感情的になっていた。副審も含めて、レフェリングの仕方が分かっていない」とバルバリッチ監督はバッサリ。「こういうレフェリングがサッカーをつまらなくする」と言い切った。

 前節の北九州戦と比較すれば、攻守ともに選手たちの動きは良かった。前半からカウンターで千葉ゴールを何度か脅かせば、守備にも大きな破綻は見られなかった。1点をビハインドで迎えた後半の立ち上がりには、高い位置でボールを奪い、FW齋藤学がドリブルで相手陣内へ侵入。右サイドでフリーになっていたDF関根永悟にうまく展開する。

 すかさず関根はクロスを打つとみせかけて右足でシュート。
「前が空いていたので、思い切って打った」
 ボールは右にカーブしながら、ゴール左隅へ。関根にとってはJ初年度の2006年以来、まさに5年ぶり、1684日ぶりとなる鮮やかなゴールだった。

 その後も愛媛は齋藤を中心に縦への突破が目立ち、前野の退場で1人少なくなったDF陣も、千葉の長身FWオーロイをターゲットにしたパワープレーに耐えた。それだけに「せめて引き分けにしたかった」との関根の言葉は全員の本音だろう。ただ、1点目のMF伊藤大介のFKといい、終了間際の決勝点となったMF深井正樹の右サイドからのダイレクトシュートといい、千葉の2ゴールはいずれも文句のつけようがないプレーだった。やはり、今日は愛媛の日ではなかったのだ。

 2連勝の後の2連敗。同じ負けではあるが、内容は大きく異なる。「守りに関しては修正できていた」と選手たちも前を向いた。あとは結果につなげるだけだ。次節(8日)はJ1から降格した湘南ベルマーレと対戦する。勝ち点を逃した悔しさ、ジャッジに泣いた無念は平塚のピッチで晴らすしかない。

<両チームメンバー>
愛媛FC
GK  1 川北裕介
DF 13 関根永悟 
   18 池田昇平
   28 高杉亮太
    7 前野貴徳
MF  4 渡邊一仁 
   19 越智亮介 → 17 大山俊輔(58分)
   16 赤井秀一 
   10 杉浦恭平 → FW 11 石井謙伍(88分)  
FW  9 ジョジマール → DF 14 三上卓哉(82分)
   27 齋藤学

ジェフユナイテッド千葉
GK  1 岡本昌弘
DF  2 坂本将貴
    5 マーク・ミリガン
    3 竹内彬
   13 山口慶 
MF  7 佐藤勇人
   20 伊藤大介 → DF 4 青木良太(90+4分)   
    9 深井正樹
   11 米倉恒貴
FW 22 久保裕一 → 8 オーロイ(69分)
   18 青木孝太 → MF 14 太田圭輔(69分)