8月8日(月)
◇1回戦
  2年生エース福山、13奪三振で1失点完投
至学館(愛知)    1 = 100000000
東大阪大柏原    8 = 10105100×
【本塁打】
(柏)花本太
 先制したのは至学館だった。1回表、2死ながらランナーを三塁に進めると、4番・田中和也(3年)が一、二塁間を破るライト前安打を放ち、1点を先制した。しかしその裏、至学館にミスが続出する。先頭打者を死球で出すと、盗塁を決められ、さらに先発の山田航大(2年)が自らの暴投で三進させてしまう。山田は次打者を二ゴロに打ち取るも、二塁手・岡大樹(3年)のホームへの返球がそれて三塁ランナーの生還を許してしまった。

 3回裏に東大阪大柏原が1点を勝ち越した後の5回裏、3回途中からリリーフした至学館の2番手・小曾根圭吾(2年)が突如、崩れた。1死から守備のミスでランナーを出すと、2者連続で四球を出し、満塁としてしまう。ここで5番・西田尚寛(3年)に走者一掃のタイムリー三塁打を打たれる。2死後には7番・松浪遼(3年)にタイムリーを打たれ、降板。代わった3番手・岩田遼(2年)も8番・福山純平(2年)にタイムリーを打たれ、この回一挙5点を失った。さらに6回裏、東大阪大柏原は3番・花本太紀(3年)に一発が出て、1点を追加。その差を7点に広げた。

 投げては2年生エースの福山が終盤に入っても、安定したピッチングを披露。7、8回にはランナーをスコアリングポジションに進められるも、落ち着いて後続を断ち、得点を許さなかった。9回表は3者連続で空振り三振に切って取り、最高のかたちで締めた福山。終わってみれば、散発4安打13奪三振で1失点完投。チームに甲子園初勝利をもたらした。

  投打に圧倒の作新学院、38年ぶりの白星
作新学院(栃木)   11 = 610030010
福井商          1 = 001000000
【本塁打】
(作)佐藤

 序盤から作新学院の打線が猛打をふるい、意外にもワンサイドゲームとなった。初回、1死一塁から3番・佐藤竜一郎(3年)が外角高めに抜けたカーブをライトスタンドへ運び、作新学院が2点を先制した。さらに2本のタイムリーと犠飛で4点を追加。打者11人の猛攻で一挙6点を奪った。2回表にも長打2本で1点を追加した作新学院は早くも試合の主導権を握る。
 3回裏、福井商は先頭の9番・湯口千秋(2年)が四球で出塁すると、1番・山方航太(3年)が送りバントをきっちり決めて1死二塁とした。ここで2番・大角元輝(3年)は初球の直球をセンターへ弾き返した。チーム初安打がタイムリーとなり、福井商が1点を返した。

 3、4回と無失点に抑え、立ち直ったかのように見えた福井商のエース山本文矢(3年)だったが、5回表、再び作新学院打線につかまった。2死から四球でランナーを出すと、そこから3連打を浴びて3失点。その差を9点に広げられた。作新学院は8回表にも佐藤のタイムリーで1点を追加する。投げては2年生エースの大谷が4回以降、福井打線につけ入るすきを与えず、追加点を許さなかった。結局、大谷は散発4安打1失点で完投。打線も14安打の猛打で11得点と、投打に圧倒した作新学院が38年ぶりの勝利を挙げ、2回戦進出を決めた。

 エース北方、毎回の13奪三振で完投
唐津商(佐賀)   9 = 720000000
古川工(宮城)   4 = 000210100

 初回、唐津商が相手エースの立ち上がりを攻めた。1死から2番・松本晃(2年)がヒットで出塁すると、相手守備のミスと死球で満塁となる。ここで5番・北方伸生(1年)が初球、内角高めの直球をレフト前へ。2走者が返り、唐津商が早くも2点をリードした。この唐津商の先制攻撃に動揺を隠しきれない古川工エースの山田大貴(3年)。2死を奪うも、そこから四球を出してはタイムリーを打たれるという悪循環で失点を重ね、この回、7点を奪われた。2回表にも長打を打たれて2点を失った山田だったが、3回以降は立ち直り、6回まで唐津商にヒットも許さない好投を披露した。

 一方、唐津商のエース北方悠誠(3年)は初回、先頭打者への1球目に152キロの直球を投げ、いきなり甲子園をわかせた。さらに3回まで5者連続三振を奪い、古川工打線を全く寄せ付けなかった。しかし4回裏、その北方を古川工がようやくとらえ始める。2つの四球とヒットで2死ながら満塁の場面、7番・山田が初球のスライダーを思いっきり振り抜くと、打球は高々と上がり、ショートとセンターの間にポトリと落ちた。エース自らのバットで古川工が2点を返した。古川工は5回、7回にも1点ずつを加えたが、やはり初回の大量失点が大きく響き、追いつくことができなかった。

 延長13回サヨナラ勝ちで10年ぶりの白星
関商工(岐阜)   2 = 1100000000000
如水館(広島)   3 = 1010000000001× (延長13回)

 初回は両先発投手がともに制球力が定まらず、自らピンチを招く。1回表、如水館の先発・宇田友洋(3年)が先頭打者を死球で出してしまう。次打者に送りバントを決められ、2死後、4番・内城寛貴(3年)にタイムリー二塁打を打たれ、関商工に先制を許した。 自らのバットで先取点を奪った内城だったが、その裏、先頭打者を死球で出すと、送りバントでランナーをスコアリングポジションに進めてしまう。次打者を四球で出すと、4番・島崎翔真(1年)に同点タイムリーを打たれた。

 その後、両チームともに1点ずつを加えると、中盤以降は継投策が実り、ゼロ行進が続いた。試合は2−2のまま、今大会2試合目となる延長へと突入した。バックの好守にも助けられながら、両投手の力投が続いた。しかし、13回裏、好守が続いた関商工の守備にミスが出た。先頭の島崎の打球はボテボテの二ゴロに。しかし、ベースカバーが間に合わず、一塁セーフとなる。さらに5番・宇田の送りバントの打球を力投を続けてきた安江遼(3年)が一塁へ悪送球。この隙を突いて島崎は三進し、無死一、三塁とした。そして6番・木村昴平(2年)が真ん中甘めに入ったスライダーを思いっきり引っ張ると、打球はサードの頭上を越えてレフトへ。島崎がサヨナラのホームを踏み、激闘に終止符が打たれた。