3年ぶりに平塚競輪場で開催される今年の『KEIRINグランプリ』(30日)にはフレッシュな顔が揃った。長塚智広、深谷知広、浅井康太、成田和也の4人が初出場。輪界新時代の幕開けを予感させる。新旧入り混じってのプレミアムレースで、優勝賞金1億円を手にするのは果たして誰か? 当サイト「INSIDE格闘技」の執筆者で、競輪シーンを追い続けるスポーツジャーナリスト近藤隆夫が、ズバリ予想する。
☆近藤隆夫・大予想☆

「中部の絆を大切にしたい。(深谷−浅井の後ろの)3番手をまわります」
 本番3日前、前検日の27日に、態度を保留していた山口幸二がそうコメントしたことで今年のグランプリの並びがハッキリとした。

(4)深谷−(7)浅井−(2)山口(中部ライン)
(3)佐藤−(6)伏見−(8)成田(東北ライン)
(5)武田−(1)長塚(茨城ライン)
 そして、(9)村上は単騎となる。

「先行します!」
 そう明言した選手はいないが、先頭で風を切るつもりでいるのは、21歳のスーパールーキー(4)深谷だろう。強力な出足、スピード、そして末を欠かぬ粘りで今年、輪界を席巻した深谷……彼が自らのペースで駆けたならば、中部から優勝者が出る可能性が極めて高くなる。
 
 だが果たして、深谷はスンナリと先行できるのか?
(3)佐藤も(5)武田も(9)村上も、「それだけはさせたくない」との思いが強い。深谷を後方に置いて、あるいは内に詰まらせてレースを進めたいと考えているはずだ。

 今年のG1戦線、武田は何度か深谷に先行バトルを仕掛けた。もし、この最終決戦も武田がもがき合いを挑むのなら、流れは東北ラインに向く。しかし、武田は闘争スイッチが入りそうになるのを必死に抑えるだろう。もがき合ってしまっては優勝はない。

 むしろ積極性を発揮するのは、東北ラインの先頭を走る佐藤ではないか。
「総力戦! 先行でもまくりでも飛びつきでも何でもやる!」
 意を決して、そう明言している佐藤は、深谷を巧みに牽制し続けることだろう。それでも深谷に前に出られてしまった場合は、彼の番手に飛びつくつもりでいる。マーク戦が不慣れな(7)浅井が相手なら、手間取ることなく番手を取りきれると考えても不思議はない。また、ここに来ての調子の良さも彼の積極性を後押しする。

 となれば、前団がもつれる展開は、茨城ラインに向く。(9)村上もいるが、1車では位置取りが難しく、この機を逃さずスパートをかけるのは武田だろう。
 バックから3コーナー手前までに武田が、(1)長塚を連れてまくりきり、そのままゴールを突き抜けると私は予想している。

<2車単> (5)−(1)。折り返しなしの1点勝負!
<3連単> (5)−(1)から総流し。

 これまでグランプリにおいて、ラインでのワンツー決着は、まずなかった。しかし、「絆」が強調された今年に限っては、「筋違い」ではなく、ラインで決まる。

<KEIRINグランプリ2011出走表>

12月30日(金)16時25分発走
平塚競輪場11R、2825m(7周)

〇△1[1] 長塚智広 茨城 81期 33歳 初出場 競輪祭優勝
   2[2] 山口幸二 岐阜 62期 43歳 12年ぶり3度目 賞金ランキング3位
   3[3] 佐藤友和 岩手 88期 28歳 2年連続4度目 賞金ランキング8位
  〇4[4] 深谷知広 愛知 96期 21歳 初出場 高松宮記念杯優勝
◎◎4[5] 武田豊樹 茨城 88期 37歳 3年連続4度目 賞金ランキング4位
△  5[6] 伏見俊昭 福島 75期 35歳 5年連続9度目 全日本選抜優勝
  ▲5[7] 浅井康太 三重 90期 27歳 初出場 寛仁親王牌、オールスター競輪優勝
▲  6[8] 成田和也 福島 88期 32歳 初出場 賞金ランキング9位
×  6[9] 村上義弘 京都 73期 37歳 2年連続5度目 日本選手権優勝

・印は近藤予想、二宮清純予想の順
・枠番、車番、選手名、出身地、期別、年齢、出場回数の順に記載
※必ず主催者発表のものとご確認下さい。