(写真:「年齢、性別、人種に関わらず、そしてなるべく地方格差がないように活動していく」と語った北澤会長

(写真:「年齢、性別、人種に関わらず、そしてなるべく地方格差がないように活動していく」と語った北澤会長)

 1日、日本障がい者サッカー連盟の設立を発表する会見が、日本サッカー協会(JFA)で行われた。初代会長にはサッカー元日本代表としても活躍した北澤豪が就任する。日本障がい者サッカー連盟は7つの団体を統括する役割を担う。JFAの加盟団体としてバックアップを受けながら、障がい者サッカーの普及、発展を目指す。

 

 障がい者サッカーと一口に言っても、様々な団体が存在している。日本障がい者サッカー連盟は日本アンプティサッカー協会、日本CPサッカー協会、日本ソーシャルフットボール協会、日本知的障がい者サッカー協会、日本電動車椅子サッカー協会、日本ブラインドサッカー協会、日本ろう者サッカー協会の7団体から構成される。

 

 会見に登壇した北澤会長は「この連盟は日本サッカー協会の関連団体であり、障がい者サッカーの7つの団体を統括し、支援する組織になる。“障がい者サッカーは、そんなにあるのか”と驚く人たちが多いのではないかと思います。これがまだ、日本におけるスポーツの現状です」と口にする。

 

 続けて北澤会長は「各サッカーの団体には、日本代表があります。残念ながら、リオパラリンピック予選では負けてしまったブラインドサッカーとCPサッカー(脳性まひ7人制サッカー)がパラリンピックなど世界を目指している。その他の団体もW杯、世界選手権と世界を目指して戦っています。ただ、そこに向けた強化の面は、決して恵まれたものではありません。我々が強化のお手伝いをしていき、活動していければと思っております」と意気込んだ。

 

 JFAの田嶋幸三会長は「この7つの団体をまとめて、我々の加盟団体として認めていこうということを議論し始め、この日を迎えたわけです。様々な障がいがあったのは事実ですが、サッカーの力で乗り越えてきたと思っています。サッカーの力を我々は信じ、今後も日本障がい者サッカー連盟をサポートしていきたい」とバックアップを誓う。

 

 現状、各団体の日本代表は別々のユニホームを着用している。団体ごとに契約等の絡みがあるため時期は未定だが、将来的にはサッカーの代表と同じユニホームを着られるよう尽力する。北澤会長は「サッカーファミリーを増やすためにも同じユニホームを着て、同じ夢を追う。これをやることによって、たくさんのサポーターが増え、今まで以上に知っていただくことに繋がる。理解し、参加し、協力していただく人たちが増えていく」と熱く語った。

 

 今回、発足した日本障がい者サッカー連盟は、誰もがいつでもどこでもサッカーを通して明るく楽しく生活できるような環境を作ってくれるに違いない。北澤会長は「サッカーならどんな障がいも乗り越えていけると思っています」と胸を張る。同連盟設立を機に、日本の多様なサッカーが1つになる日は、そう遠くないはずだ。

 

(文・写真/大木雄貴)