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(写真:2大会連続女子主将に選ばれた海老原<左>。男子は8年ぶりの五輪出場の澤野が主将)

 15日、日本陸上競技連盟はリオデジャネイロ五輪の日本代表選手団壮行会を東京・味の素ナショナルトレーニングセンターで開催した。日本は現時点で男子33名、女子14名の計47名で選手団を結成し、目標とする「メダル1、入賞5」を狙う。式典には男子20名、女子4名が出席し、男子の主将には2大会ぶり3回目の出場となる棒高跳び・澤野大地(富士通)、女子は2大会連続出場のやり投げ・海老原有希(スズキ浜松AC)が選ばれた。

 

「世界と戦うのに相応しい精鋭と自負している」。選手団の監督を務める日本陸連の麻場一徳強化委員長は胸を張った。掲げる目標は「メダル1、入賞5」に設定した。この数字は現時点での今シーズン世界ランキングを基に算段。メダル圏内は5位以内、入賞は12位以内という現実的な計算である。

 

 世界ランキング5位以内に入っている種目は男子20キロ、50キロ競歩、男子400メートルリレー、女子マラソンの4つ。その中から最低1つはメダリストが現れて欲しいという目論見だ。女子マラソンはかつてシドニー、アテネの連続金メダルを獲得するなど“お家芸”として位置づけられていた種目である。競歩2種目と4継は近年結果を残しつつあり、新お家芸として確立されるのかにも注目が集まる。

 

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(写真:日本代表のジャージを纏い記念撮影に応じる選手団)

 選手団の主将には35歳の澤野と30歳の海老原が任命された。日本選手権後の記録会で滑り込みの代表入りを果たした澤野は「ここに立っているのは自分たちの力だけではない。感謝の想いを胸に戦いたい」と決意表明した。棒高跳びは澤野以外にも山本聖途(トヨタ自動車)、荻田大樹(ミズノ)の2人が出場する。3年前の世界選手権モスクワ大会以来のフルエントリーだ。若手、中堅、ベテランの“三銃士”が日本の入賞を目指す。

 

 ロンドンに続く2大会連続の大役を務める海老原は「代表に選ばれて誇りに思うと同時に責任を感じる。オリンピックの舞台で責任を果たすべく戦いたい」と誓った。女子は選手団の3割に満たない14名で編成する。「男子に比べて少ないが、女子も存在感を示す」と意気込んだ。背中で見せるリーダーシップを発揮して、リオから東京へとつながるアーチを描くつもりだ。

 

 男女の主将は「4年後につながる大会にしたい」と口を揃えた。次回は自国開催の東京五輪が控えている。「メダル1、入賞2」のロンドン五輪超えで2020年への弾みをつけたい。

 

(文・写真/杉浦泰介)