愛媛FCを昨季限りで契約満了となったFW福田健二が、このほど香港リーグ1部の横浜FC香港に移籍することが決まった。福田は今年でプロ18年目の35歳。これまで南米のパラグアイ、中米のメキシコ、欧州のスペイン、ギリシャでプレーしており、海外5カ国目の挑戦となる。二宮清純の携帯サイト「二宮清純.com」、スマートフォンサイト「ニノスポ」ではギリシャ時代の2009年より福田がサッカーに対する熱い思いを綴る「さすらいのgoleador」のコーナーを月2回更新している。今回の移籍についても、心境を早速寄せてもらった。
 南米から欧州に渡り、まさに地球を1周してゴールを決め続けてきたストライカーが、新たな旅路へ向かう。
 04年から海外に戦いの舞台を移してきた福田は、09年10月、故郷のクラブである愛媛FCに加入。約6年ぶりに日本復帰を果たした。1年目のシーズンとなる2010年こそ、チームトップとなる7得点をあげたが、一昨年は22試合で1ゴール。昨季は14試合の出場にとどまり、無得点に終わった。リーグ戦終了後、クラブは福田に対して契約を更新しない旨を通告し、新しい所属先を探していた。

 当初、福田は国内でのプレーを希望し、昨年12月にはJリーグの合同トライアウトに参加。ミニゲームでゴールを決めるなどアピールしたが、獲得に名乗り出るクラブは現われなかった。本人も「厳しい現実を味わっている」と新天地探しに苦労していた中で、届いたオファーは香港からのものだった。

 今回、更新されたコラムの中で福田は「正直、香港のリーグがどんなスタイルで、どのくらいのレベルなのか、まだ全く知りません。中国語も分かりませんから、サッカーも含めた未知なる挑戦となるはず」と明かす。横浜FC香港は2008年に前身となるクラブが設立され、昨年7月から横浜FCが運営権を取得した。日本人ではGK村井泰希(横浜FCから期限付き移籍)、FW吉武剛(元横浜FC)が所属する。

 香港リーグは秋開幕のため、現在はリーグ戦の真っ只中。横浜FC香港は10試合を終えて、3勝4敗3分の勝ち点12で10クラブ中6位だ。福田はコラム内で「外国人が生き残る道は結果を出すことしかありません。とにかくゴールを決める。そして監督、コーチやチームメイト、サポーターに認められる。それが第一のハードルとなります」と強い思いを披露している。

 既に24日より香港に渡って正式契約の手続きなどを進めており、トレーニングにも合流する。
「どこに行こうとサッカーは共通です。ルールもボールも同じですし、やるべきことは変わりません。愛媛で溜まりに溜まったマグマを、香港で爆発させる。強い意気込みで現地に向かおうと思っています」
 30代中盤となっても「体力の衰えは感じない」というgoleador(点獲り屋)が、香港の地でどれだけゴールネットを揺らせるのか。ゴールをビザ代わりに世界を駆け抜けてきた男は、これからも己の足を頼りに道を切り拓く。

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