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(写真:ロゴマークには「日がまた登るように、日本代表が頂点を目指す」という思いが込められている)

 2020年東京五輪の国内代表選考会となる「マラソングランドチャンピオンシップシリーズ」(MGCシリーズ)の初戦・北海道マラソンが27日に開催される。日本陸上競技連盟は23日に都内で会見を行い、瀬古利彦マラソン強化戦略プロジェクトリーダーは「我々の夢の始まり、スタートです」と高らかに宣言した。

 

 2019年9月以降に開催予定の「マラソングランドチャンピオンシップ」(MGC)への出場権資格を得るために、各ランナーはMGCシリーズでの結果が求められる。北海道マラソンでは以下のような基準が設けられている。

・男子は2時間15分以内の優勝、または2時間13分以内の2~6位。

・女子は2時間32分以内の優勝、または2時間30分以内の2~6位。

 

 いよいよ幕を明ける東京五輪へのサバイバルレース。瀬古プロジェクトリーダーが「オリンピック選考だけの選考会ではいけない。過程があって2年をかけて本当に実力がある人が選ばれる」と意気込むMGCだ。皮切りとなる北海道マラソンは国内選考唯一の夏開催。瀬古プロジェクトリーダーは「気温は19度~26度が予想されます。MGCへの進出者が複数名出てくれればいい」と期待を寄せた。

 

(写真:強化スタッフによる記者ブリーフィングも行われた)

(写真:強化スタッフによる記者ブリーフィングも行われた)

 先日の世界選手権では男女ともに入賞者なしという結果に終わった。初出場が半分以上のフレッシュなメンバーで臨んだが、「大きな大会にビビってる気がした」(瀬古プロジェクトリーダー)とアフリカ勢に屈した。東京五輪に向けては日本陸連も動き出している。強化指定選手やマラソンへの転向意欲を持つ有力選手などを集めて測定合宿を行った。

 

 日本陸連の河野匡マラソン・長距離ディレクターによれば、「暑さだけではなくいろいろな条件を想定した」というデータ採取である。女子は8月2日、男子は8月9日の開催が予定されているがスタート時刻はまだ決まっていない。真夏の時期のため、猛暑が予想されるが気象条件も含め、その日になってみないと分からないことばかり。「走っていることに起こりうること」を数値化し、分析するようだ。

 

 河野ディレクターは「3年という月日を無駄なくやっていきたい。2018年までに方向性を定め、2019年にテストする。そして2020年を万全で迎える」と語る。日本のお家芸と呼ばれた時代は過ぎ去った。目標であるメダル獲得のためにはあらゆる手を尽くす必要があるだろう。

 

(文・写真/杉浦泰介)