22日、FIFAコンフェデレーションズカップ2013グループリーグのA組最終節が各地で行われ、日本がメキシコに1−2で敗れた。前半は互いに決定機をモノにできず、無得点のまま後半に突入した。迎えた後半9分、FWハビエル・エルナンデスのゴールでメキシコに先制を許す。21分にもエルナンデスに追加点を決められた。41分にようやくMF岡崎慎司が1点を返したものの、追いつくことはできなかった。日本は今大会を3連敗で終えた。

 エルナンデス、ヘッドで2発(ベロオリゾンテ)
日本 1−2 メキシコ
【得点】
[日] 岡崎慎司(86分)
[メ] ハビエル・エルナンデス(54分、66分)
 ブラジルでの勝利は1年後に持ち越しとなった。日本はメキシコに主導権を握られ、エースのエルナンデスに2ゴールを許した。攻撃は試合終盤の1点のみ。試合を通して攻守の歯車が噛み合わなかった。

 日本はイタリア戦から先発3人を変更。累積警告で出場停止のMF長谷部誠、DF内田篤人、DF吉田麻也に代わって、それぞれMF細貝萌、DF酒井宏樹、DF栗原勇蔵がスタメンに名を連ねた。

 序盤は日本が優勢に試合を進めた。前半5分、MF香川真司がMF遠藤保仁からの縦パスを受け、PAに侵入。足の裏を使ってスライディングにきたメキシコDFをかわして右足でシュート打った。これはGKの好守に防がれたが、開始早々の決定機に先制も時間の問題かに思われた。

 しかし、その後の日本はボールを支配するものの、なかなかチャンスをつくれない。逆に、メキシコにボールを回され、守備にまわる時間が長くなった。40分には、左サイドからのクロスをフリーのMFアンドレス・グアルダードに頭で狙われた。シュートは左ポストを直撃してことなきを得たが、流れはメキシコに傾いていた。

 すると、後半9分、ついに先制点を奪われた。エルナンデスに左サイドを仕掛けたグアルダードからのクロスを、ヘディングで叩き込まれた。DF今野泰幸と栗原の間にぽっかりとできたスペースに走り込まれた。また、グアルダードに対応した酒井宏も簡単にクロスを上げられるなど、守備の稚拙さが見受けられた。

 14分にはその酒井宏から内田、20分にはFW前田遼一に代えて吉田を投入。システムも3−4−3に変更し、前線は左から香川、岡崎、MF本田圭佑の並びに。サイドバックの内田とDF長友佑都をサイドハーフの位置に上げた。攻撃的なシステムで同点弾を狙いにいった。

 ところが、布陣変更直後の21分、またもエルナンデスにゴールを奪われた。右CKをニアサイドでDFイラム・ミエルが頭でそらしたボールを、ファーサイドで頭で押し込まれた。イタリア戦に続き、苦手とするセットプレーからまたも失点を喫した。

 なんとか反撃の糸口を見つけたい日本は、MF中村憲剛に交代の準備をさせた。しかし、29分、アクシデントに襲われる。長友がMFジオバンニ・ドス・サントスのシュートを防ぎに行った際に古傷の左膝を痛め、ピッチを退いたのだ。32分、アルベルト・ザッケローニ監督は中村をそのまま投入したが、システムは4−2−3−1に戻さざるを得なくなった。これにより、今野が左サイドバックに移り、1トップに本田、2列目には左から香川、中村、岡崎が入った。

 そんな41分、なんとか1点を返した。PA内右サイドへの浮いたパスに反応した遠藤がそれを中央に折り返し、岡崎が右足で合わせた。シュートはGKの手を弾いてクロスバーに当たり、ゴールに吸い込まれた。

 勢いに乗りたいところだったが、5分のアディショナルタイム突入直後、メキシコにPKを献上。これはGK川島永嗣の好守でダメ押しは免れた。しかし、守護神のプレーも同点ゴールにはつながらなかった。

「こういう次がない中での試合で負けたのが、チームの弱さ」
 香川の表情には悔しさがにじみ出ていた。2戦連続弾を上げた岡崎も「得点を決めたのは個人的には良いことだが、チームが負けているので何とも言えない」と渋かった。

 今大会は“世界”と日本人選手個々の差の大きさを思い知らされた。香川は「アウェーの地で3連敗したというのが現実。この結果を深く受け止めて、これからの1年で一人ひとりが成長しないと厳しい」と危機感を口にした。新戦術の確立、控え選手の底上げ、新戦力の発掘……課題は山積だ。それらをクリアし、1年後にどう結果を残すか。良薬は口に苦し、だ。

【ブラジル、3連勝で首位通過】

 開催国・ブラジルが3連勝を飾った。前半終了間際にブラジルがDFダンテのゴールで先制。後半6分、MFエマヌエレ・ジャッケリーニの得点で追いつかれたものの、その4分後だった。MFネイマールが左サイドのPA手前で得たFKを、ゴール右サイドネットに突き刺した。エースの3戦連続弾で勢いづいたブラジルは、その後もFWフレッジの2ゴールでリードを保った。この結果、A組首位通過のブラジルは26日にB組2位と、イタリアは27日にB組1位と準決勝を戦う。

 ネイマール、圧巻のFK弾で3戦連続MOM(サルバドル)
ブラジル 4−2 イタリア
【得点】
[ブ] ダンテ(45分+1)、ネイマール(55分)、フレッジ(66分、89分)
[イ] エマヌエレ・ジャッケリーニ(51分)、ジョルジ・キエッリーニ(71分)