FC東京、東京ヴェルディ、FC町田ゼルビアに続き、Jリーグ入りを目指すクラブが東京にある。現在、J3の下のカテゴリーの日本フットボールリーグ(JFL)所属の東京武蔵野シティFCだ。

 

 武蔵野シティはこの5月、ゴールデンウィークにホームスタジアムから最寄り駅までの道のりのゴミ拾いイベントを開催。武蔵野陸上競技場のピッチを解放し、子供たちを対象にした「裸足かけっこ教室」や、「青空ヨガ教室」などを開催した。Jリーグの理念である「地域密着」を地で行くクラブである。

 

 そんな武蔵野シティが新たな取り組みを始めた。それはマスコットキャラクターの3D化(着ぐるみ化)だ。武蔵野シティのマスコットキャラクターは「こはな」という女の子のゾウである。本名は心花・リンカネート・ブロッサム。「こはな」のモチーフとなっているのは、2016年5月にこの世を去った東京都武蔵野市・井の頭自然文化園のアジアゾウ「はな子」だ。「はな子」のように武蔵野市民から愛され、武蔵野シティがJリーグ昇格という大輪の花を咲かせ、市民のシンボルとなるように「こはな」と名付けられた。

 

 この「こはな」の着ぐるみ化は一風変わった試みで行われる。それはクラウドファンディングである。クラウドファンディングとは、群衆(crowd)と資金調達(funding)の造語だ。企画立案者が専用のインターネットサイトを通じ、多くの方々から資金を集める方法である。実は、過去にJ3で例がある。グルージャ盛岡のマスコットキャラクター「キヅール」もクラウドファンディングで得た資金をもとに3D化に成功した。「キヅール」は折り鶴をモチーフする奇抜なデザインで話題を呼んでいる。

 

「こはな」の資金調達に成功すると、来春、ホームスタジアムである武蔵野陸上競技場の改修後の試合で披露されるという。クラウドファンディングの期間は11月20日から始まっており、12月20日の23時59分までとなっている。目標金額は158万7000円。11月30日21時40分の時点で支援者は100人を突破したが、支援総額は44万8886円と達成率は28%だ。

 

 マスコットはサッカークラブにとってなくてはならない存在。武蔵野シティは「こはな」の活動を通じて、今後も地域の魅力を発信し続ける。

 

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(文/大木雄貴)