30日、Jリーグは「リーグの成長戦略に関する意見交換会」を開いた。会議にはリーグと東日本に所属するクラブの関係者が出席し、主に2014年以降のJ1リーグ戦の実施方法や集客力向上策などが議論された。J1リーグ戦の実施方法については、大きく分けて「現行の1シーズン制にプレーオフなどのポストシーズンの設立」「南米リーグや、過去にJリーグで採用されていた2ステージ制」「地域別にチームを分けて優勝を争うカンファレンス制」といった案が出された。同会議はJリーグの全40クラブを地域ごとに分けて行なわれ、8月には大阪と福岡で予定されている。それらを受けて、9月のJ1、J2合同委員会で意見を収束し、来季以降のJ1リーグの大会方式が決定する。
「今までと少し雰囲気は違っているように感じる」
 記者会見に出席したJリーグの中西大介競技・事業統括本部長は、会議を終えての感想をこう述べた。各クラブから事前に募った改善または改革案には、クラブ個別の利害を超えたリーグ全体を考えての意見が多かったという。

 注目が集まるJ1リーグの大会方式については、各クラブのアイデアが日程などの制約条件や、Jリーグが求めている「成功のポイント」に適ったものであるかが議論された。その成功のポイントについて中西氏は次の4つを挙げた。

(1)大会方式を変更することが競技力向上に寄与するか。
(2)ファンの裾野拡大につながるか。
(3)Jリーグが成長していくための先行投資に必要な原資をつくり出せるか。
(4)サポーターやスポンサーにきちんと理解してもらえる施策であるか。

 これら4つのポイントに照らし合わせて、どの仕組みが適切かを客観的に評価していくという。また、中西氏は今回の会議では各クラブ関係者が「大会方式を変えるしかないという人もいなければ、大会方式変更を全否定する人もいなかった。もう少し、代替案を並べて検討してみたいという様子だった」ことを明かした。

 中西氏は最後に「各クラブがリーグ全体のことを考えてくれた上で議論できたのは大きな収穫」と手応えを口にした。その収穫をいかにクラブやファンに還元できる結論を出すことが、21年目を迎えるJリーグに求められている。