6日、キリンチャレンジカップ2013が大阪・長居スタジアムで行われ、日本代表がグアテマラ代表を3−0で下した。前半、日本は圧倒的にボールを支配してチャンスをつくりだしたが、無得点で試合を折り返した。試合が動いたのは後半5分、MF本田圭佑(CSKAモスクワ)が先制点を奪った。その後、日本は24分にMF工藤壮人(柏)、31分にMF遠藤保仁(G大阪)が追加点。最後までグアテマラに主導権を渡さず、完勝を収めた。日本は10日(火)、横浜・日産スタジアムでガーナ代表と対戦する。

 工藤、途中出場からアピール弾(長居スタジアム)
日本代表 3−0 グアテマラ代表
【得点】
[日] 本田圭佑(50分)、工藤壮人(69分)、遠藤保仁(76分)
 いいリスタートを切ったといえるだろう。日本は自分たちのミスから完敗を喫したウルグアイ戦(8月)から一転、丁寧かつ積極的なサッカーを展開した。パスミスはほぼ見られず、終始ボールを支配し続けた。

 日本はいわゆる“東アジアカップ組”からワントップにFW大迫勇也(鹿島)、センターバックにDF森重真人(FC東京)が先発した。またベンチスタートの本田に代わり、MF香川真司(マンU)がトップ下に入った。

 序盤から主導権を握ったのは日本だった。前半6分、香川がPA内右に攻め込んだMF長谷部誠(ニュルンベルク)からの折り返しをシュート。しかしこれはGKに当たってゴールならず。20分には、DF長友佑都(インテル)、香川、MF清武弘嗣(ニュルンベルク)と鮮やかなコンビネーションで左サイドを突破。清武がPA内左からニアサイドを狙ったが、GKに弾き出された。日本は決定機をつくりだすものの、ゴールが遠かった。

 その後も圧倒的にボールを支配して攻撃のかたちをつくるが、引いて守るグアテマラを崩し切れず、無得点で試合を折り返した。

 日本は後半開始から大迫からFW柿谷曜一朗(C大阪)、清武に代えて本田を投入した。これにより、本田がトップ下に入り、香川は左サイドへ移った。この交代策が的中する。後半5分、本田が先制ゴールを奪った。長友が左サイドを仕掛けてファーサイドに上げたクロスを頭で叩き込んだ。本田の2試合連続ゴールが呼び水となり、日本はさらに攻勢を強めていった。

 17分には右サイドのMF岡崎慎司(マインツ)に代わって工藤がピッチに入った。する24分、その工藤が追加点を決めた。右サイドのショートコーナーからボールをつなぎ、香川がPA内右へのパスに反応してクロス。これを工藤が相手と競り合いながら体で押し込んだ。31分にはゴール正面で得たFKを遠藤が狙い、壁に当たったシュートがGKの逆を突くかたちでゴール右下に吸い込まれた。

 大量リードを得た日本は最後まで攻めの姿勢を崩さず、グアテマラを押し込み続けた。特に本田と柿谷はともにボールをしっかりと収めることで、攻撃のリズムをつくりだしていた。守備陣も最後まで集中を切らさず、6月のW杯予選・イラク戦以来の完封勝利を挙げた。

「これだけのチャンスを作ったのだから、もっと多くのゴールも欲しかった」
 アルベルト・ザッケローニ監督はこのように試合を振り返った。特に前半は13本のシュートを放ったがノーゴール。後半も変わらずペースを握り続けられたからよかったものの、強いチームはハーフタイムでしっかりと修正してくる。決められる時に勝負を決められるようにならなければ世界で勝つのは難しい、と指揮官は言いたかったのだろう。本田も「今日の収穫は引いた相手を崩すことができたこと。だが、まだまだ手数をいかけすぎていたところがあった」と課題を口にした。

 次戦のガーナはドイツW杯でベスト16、南アフリカW杯ではベスト8に進出した強豪。日本は今回のように常に主導権を握ることはできないだろう。その中で、いかに巡ってきたチャンスをモノにするか。ブラジルW杯に向けて、日本は改めて決定力の向上が求められている。