四国アイランドリーグPlusの2013シーズンの年間王者を決めるリーグチャンピオンシップが28日に第1戦(高松・レクザムスタジアム、18時〜)を迎える。あいまみえるのは前期優勝の香川オリーブガイナーズと後期優勝の徳島インディゴソックス。両者がチャンピオンシップで対戦するのは、11年に続いて2度目で、徳島が3勝1敗で香川を下した。徳島はこの年以来となる2度目の年間王者を狙う。対する香川は4年連続のチャンピオンシップ進出。リーグ最多となる6回目のチャンピオンを目指す。
(写真:広島の育成選手、小松も徳島で9勝をあげて活躍した)
 似通ったチーム同士の頂上決戦だ。
 香川、徳島とも投打のバランスが良く、先行逃げ切りの勝ちパターンが確立されている。香川はリーグ最多の64試合に登板した右腕の田村雅樹から、抑えで17セーブをあげている酒井大介につなぐ。一方の徳島は防御率0.81と安定感を誇る入野貴大がセットアッパー。セーブ王(21セーブ)に輝いたオナシス・シレットが最後を締める。終盤でリードする展開に持ち込めば、高い確率で勝ちが見込める。

 先発は香川が最多勝(13勝)の又吉克樹と、渡辺靖彬の両右腕。徳島はチームの勝ち頭(10勝)の山口直紘に、9勝の岩根成海、広島から派遣されている小松剛と3本柱が揃う。初戦を託されたのは香川が渡辺、徳島は岩根だ。渡辺は昨季も愛媛とのチャンピオンシップ第1戦に先発し、5回を無失点に封じてチームに流れを呼び込んだ。今季は3勝7敗と負け越したものの、防御率は2.49でリーグ4位と試合をつくる能力は高い。香川としては渡辺の好投により、3連勝でチャンピオンシップを制した昨年の再来といきたいところだ。

 岩根は後期、香川相手に無傷の4勝をあげている。前期は好不調の波がはっきりしていたが、後期は7勝を積み重ね、優勝の原動力となった。課題の制球力も改善し、四球は1イニングあたり0.67個と少ない。一昨年はセットアッパー役でリーグ史上最高となる防御率0.68をマークし、年間優勝に大きく貢献した。今回は先発で再び香川を封じ込めるつもりだ。

 打線も軸となる元NPB選手がいる。香川は元阪神の桜井広大、徳島は元千葉ロッテの大谷龍次が不動の4番だ。桜井はリーグ2年目の今季、序盤は不振に喘いだ。しかし、9月に入って3試合連続のホームランを放つなど上り調子で、結果、10本塁打、59打点で2冠に輝いた。NPB通算30本塁打のバッティングは健在だ。
(写真:打率は.250ながら、勝負強さをみせた桜井)

 大谷も8本塁打、50打点は桜井に次いでリーグ2位だった。チームでは唯一、全試合出場しており、欠かせないポイントゲッターだ。加えて両チームはクリーンアップも好打者が並ぶ。香川は首位打者経験のある国本和俊や、1年目ながら3割近い打率を残した生田目翔悟が脇を固め、徳島はリーグ2位の打率.332と好成績を収めた大谷真徳が3番に座り、4番との大谷コンビを形成している。上位打線には香川が17盗塁の小栗健太、徳島がいずれも2ケタ盗塁を決めている吉村旬平、東弘明と足を使える選手がいる。

 レギュラーシーズンでの両者の対決は徳島の11勝9敗4分と、ほぼ互角。共通項の多いチームゆえに、チャンピオンシップもがっぷり四つの勝負となるだろう。終盤までもつれる展開も予想されるだけに、相手の勝利の方程式をいかに崩せるかがポイントになる。7月には徳島が香川の酒井、田村を攻略し、8、9回で5点差を追いついた試合もあった。香川も8月に2試合連続で最終回に徳島の守護神シレットからホームランを放ち、1試合は引き分けに持ち込んでいる。

 5戦制のチャンピオンシップだが、このシステムが導入された2006年以降、最終第5戦までもつれたことはない。だが、同じようなチームスタイルで、粘り腰も兼ね備えた両雄だけに、今回は最後の最後まで目が離せない戦いになるのではないか。ほんの1球、ワンプレーがシリーズの明暗を大きく分けそうだ。

<チャンピオンシップ概要>

【試合日程】
9月28日(土) 第1戦 香川−徳島 レクザムスタジアム 18時
9月29日(日) 第2戦 香川−徳島 レクザムスタジアム 18時
※雨天などで順延の場合、予備日程で実施(9月30日、10月1日 レクザムスタジアム 18時)。

10月5日(土) 第3戦 徳島−香川 オロナミンC球場 18時
10月6日(日) 第4戦 徳島−香川 オロナミンC球場 18時
10月7日(月) 第5戦 徳島−香川 オロナミンC球場 18時
※雨天などで順延の場合、第5戦終了時で決着がつかない場合、予備日程で実施(10月8日〜10日 オロナミンC球場 18時)

【チケット】
大人:1,500円 小・中学生:600円
※未就学児は無料

【ルール】
・3戦先勝したチームを優勝とする。
・9回裏を終了して同点の場合は延長戦を行う。延長戦は原則として決着がつくまで行う。ただし、球場使用時間制限等により引き分けとなる場合がある。
・全5戦を終了した時点でいずれのチームの勝敗も3勝に満たない場合は、対戦成績で勝ち数の上回っているチームが優勝。対戦成績が同じ場合は、予備日にて追加で1試合を行ない、勝ったチームの優勝とする。
・雨天等により予備日を含む全日程で試合を消化できなかった場合は、対戦成績で勝数の上回っているチームが優勝。成績が同じ場合はチャンピオンシップでの失点率が低いチームを優勝とする。失点率でも並んだ場合は公式戦年間勝率が1位の徳島を優勝とする。